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六角の花   作者: フミ
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三毳山


「うわっ!甘ーい ううんうん」


「美味しい?アキヨリちゃん」


「うまいよリッカの家では蜂蜜も作ってるの?」


「うん夜遅くまで お仕事したり今みたいに遠出するとき食べると力がつくのよ」


満面の笑みである 桑の実やら杏子やら道端の果物を片っ端から口に運ぶアキヨリが

ミカンのようなものを口にした時あまりの酸っぱさに身悶えいた所リッカが蜂蜜を差し出したのだった


「あの二人本当に仲がよろしいですなゴクラクサイ様

父君としては心中複雑なのでは」


ナリマサは一言一言にバイオリンの音を合わせた


「んあぁ そうだな もう少し腹が立つかと思ったが

アキヨリは生まれたころからよくなついてくれとるし息子みたいなもんだからなぁ」


「年齢的には孫でしょうに」


「くわぁ!!」


「へっはっは ご勘弁を

三鴨山砦が見えてまいりました

少し早いかもしれませんが本日の宿といたしましょう」


「急がねばならんのだかなぁ

まあいいか」


シジマ家の領地は平地が殆どで攻め込まれたら籠城により守りきるのは容易ではない

その為三方を囲む山で敵を食い止めるという

開祖ヨシサダ以来の方針であった事から

三鴨山砦は砦と言うよりは堅牢な石垣と城門を備える山城であった

その代わり本城と呼べる物は無く

住居を目的とした屋敷だけである


しかし山地を抜きシジマ家領地に攻め込んだ勢力は未だかつて無かった


「ナリマサ様若様 本日はいかがなさったのです こんな所まで」


城門の前に槍を持って睨みをきかす屈強な門番が少し不思議そうな顔で尋ねた


「客人を送って差し上げているのだ

今夜はここを宿とするから鄭重にもてなしてくれ」


「お世話になります お役目お疲れ様です」


アキヨリは馬を降りて門番に一礼した

すると門番も深々と頭を下げた後アキヨリの頭を強烈に撫でた


「ひゃっはっはっ良いのう良いのう

ゴクラクサイというものだょ

世話になるよ」


城門をくぐるとすぐに人集りが出来た

皆ナリマサのバイオリン目当てである


「リッカ案内するよ行こう」


「うん!」


二人は目の前に迫った別れを忘れる為なのか はしゃいで城内を駆けずり回り

羽目を外したアキヨリは部外者に教えてはいけない抜け道までリッカに教えてしまい後々アキマサに拳骨を食らうのであった

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