男とは
「リッカは今 窯にいるのか⁈」
「うん!」
「分かった!今行く!」
ゲンに詳細を問い質すのは酷だ詮索など意味は無い この目で確かめればよい
「リヨウ!アクゥヤ!聞いての通り行くぞ!」
アクヤは 名を呼ばれた時点で走り出した
アキヨリは上半身を置いていかれ仰け反ったが
呼吸を止め踏ん張り態勢を立て直し一息大きく吸い込んだ時にはもう登り窯の前に到着した
「リッカ!どこにいる!返事いたせ!」
もちろん返事など待たない アクヤを飛び降り
自由に動く両手と左足で獣のように走り
登り窯全体を覆う日差しの中に飛び込んだ
「ううう!ああああっ!」
リッカがマイとチョウキチに羽交い締めにされている
衣服が焼け焦げている
泥だらけになっている
煉瓦を握りしめている
「リッカアアアアアッ!」
アキヨリの叫びを耳にして我に還ったリッカは
アキヨリの姿を目にして驚きまた安心し力を抜いた
マイとチョウキチの腕をすり抜け腰砕けにへたり込んだ
「ア…キヨリ…」
リッカが膝をつくことは無かった
彼女を抱きかかえるアキヨリの顔は赤く熱く照らされいる
窯の壁が崩れ熱射が熱風が拘束を解かれ荒れ狂っていた
自らの動作に一段落したアキヨリはようやく 先ほどの絞り出すような呻きがリッカから発せられたのだと理解した
「申し訳ありませんあああっ!
申し訳ありません」
「申し訳無いのは俺の方だ一体何があったのだ」
「あなたの大切な方達を私はまた殺してしまう ああああっ!」
リッカの顔を覆う腕が赤く火ぶくれになっている
「リヨウ!水を汲んでまいれ!」
リヨウの翼からの風が窯の壁の穴から噴き出す炎を煽った
「うわあああああっやめて!リヨウちゃんやめて!」
「落ち着けリッカ なんでもいい今必要な物足りない物片っ端から言え 必ず俺がなんとかする!」
「壁、煉瓦、熱、炎、炎、割れてしまう!割れてしまう!」




