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六角の花   作者: フミ
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清らかなものに助けを求めて

「嘘です!アキヨリ様が優しいアキヨリ様が戦とは言えそんな事するはずありません!

誰かのやったことを自分の罪としているのでしょう?

戦では多くの民が巻き込まれますその事を仰っているのでしょう?

お願いですそうだと仰って下さい!」


「本当だ…滅ぼした大名の側室を…

命乞いする側室とその赤子を…

この子の命ばかりはと命乞いする側室と赤子を…


この手で殺した」


「嘘だ!嘘だ!嘘だ!いやあああああ!」


リッカは突っ伏し泣きじゃくり

アキヨリは盛り土一つ一つに手を添えて言葉をかけた


「寒かったであろう?苦しかったであろう?無念であったろう?

すまない俺だけ温かく何日も過ごしてしまった

もう寂しい想いはさせんぞ


アクヤ!参るぞ!!」


アクヤに飛び乗ろうと鐙に右足をかけようとしたが足が前に出ない

とうとう膝から上まで感覚が無くなったかと思って振り返るとゲンが足にしがみついていた


「アギ いぐな アギ!」


呻くように絞り出すように懇願するゲンを振り払うとゲンは尻餅をつき岩場に手をついたのか掌に血を滲ませた


アクヤに飛び乗ったアキヨリは心の中で

「すまぬ すまぬ」

と繰り返すのが精一杯で言葉を発する事ができず

最後にリッカの顔を一目見たかったが突っ伏したまま肩を震わせるばかりだった


未練は捨てろ これがこの者達の為なんだ

俺に巻き込んではいけない清らかな世界の住人なのだ


「タキ!コウ!サネモリ!チュウベイ!シゲハル!マゴイチ!コヘイジ!ヒデナオ!ムラシゲ!テルナリ!トモノリ!カズナリ!

遅れをとるな!出陣!出陣!」


アキヨリは十二の名を叫び胸に刻みアクヤの腹を蹴った

たった一頭でもアクヤが駆け出すと軽い地響きがおこる

あっという間に蹄の音が遠退くとリッカの背中から胸に

いくすじもの鋭い刃物のような喪失感が突き刺さり彼女にあることを気付かせた


「アキヨリ様は私に助けてくれと言っていたんだ」


リッカの足は勝手に後を追って行った



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