表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
六角の花   作者: フミ
15/788

二発と一発

駿馬十二頭を従えタキは海沿いの一本道を快調にとばしていた


行きは丁度この辺りでアキヨリが

痛んだ魚を食べ腹をくだしたイエナガの真似をして皆を笑わせていた

皆と楽しく過ごした時間そしてアキヨリの笑顔を思い出すと急に心細くなり涙が溢れて来た


死地に赴くに腹を括り動揺など微塵も見せない彼等だが

普段は普通の人間でありメソメソ ウジウジは日常茶飯事なのである


「アキヨリ様ー!」


たまらなくなりアキヨリの名を叫ぶと


「ピリョリョョョー」


聞き慣れた声が応えた

振り返ると空を覆わんばかりの猛禽がこちらに向かい飛んで来るではないか

いつもながら余りのバカでかさに遠近感がおかしくなる


「リヨウ!リヨーウ!無事だったか!よかったよかった!

丁度良いところに来てくれた

心細くて堪らなかったのだ

あーはっはっはっは!

…あっ!?おい!あぁぁぁー!」


リヨウの飛び方がおかしい

右に左に傾き見る見る高度を落として今にも落ちて来そうだ

タキは馬を飛び降りリヨウに向かって駆け出した

一町程走った所でついにリヨウは均衡を失い

地面と激突するかというところを俊足のタキは間一髪抱きかかえた

その時馬鹿でかいクチバシで横っ面を強かに打ち頭がクラっとしたが


「怪我をしているかもしれん!」


リヨウの身体をくまなく調べると翼に怪我を手当てした跡を発見した

たいした怪我ではなかったが僅かな怪我でも翼となると飛ぶ生き物にとっては一大事であろう


「よくここまで飛んできたな

頑張ったな よしよし」


リヨウだけ飛んで来たことにひどく不安を覚えたタキだったが

リヨウの差し出した右足に巻かれた手紙を読んてほっとした


「我等を待たず兄上の元へ急げ

我等の安否はリヨウに聞くこと

二度なら無事一度なら帰らず」


リヨウはタキの頭を二度巨大なクチバシで小突いた


その頃アキヨリも仲間達から一発ずつゲンコツを食らっていた



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ