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六角の花   作者: フミ
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蛮勇と鷹

アキヨリは声にならない程驚いたが

槍の飛んで行った方を振り返ると口を片側だけ吊り上げ笑った


槍は風を巻き上げ真一文字に驚くほどの速度で飛び去って行った

正確には風を巻き上げていたのは

槍ではなく槍を掴んでいたリヨウだった


密集してアキヨリを包囲していたサナガの兵達は密集故に

低空飛行で突進してくるリヨウをとっさに避けられない者や

視界さえままならず何が起こっているのかも分からない者さえおり

槍の重量と速度と鋭利さに弾き飛ばされ貫かれ引き裂かれていった


聡明な鷹は主の蛮勇の手段を

命を繋ぎとめる道を作る道具としたのだ


「リヨウめ!小癪な真似を!

このアキヨリが槍が無い程度で大将首を諦める武士とでも思ったか!」


アキヨリが太刀を抜き更に前進する素振りを見せると

ジョスイ以下兵達はぎょっとなり身構えた

しかしアキヨリはすぐに踵を返し


「まったくその通り

リヨウお前に従い退き陣といたす!」


尻を一発ジョスイに向いパチンと叩くと

リヨウの開けた道を一心不乱に駆け出した


しかしその道はすぐさま塞がりつつあった

逃がしてなるかとリヨウに倒された兵を乗り越え精鋭が殺到して来ていたのだ


アキヨリは身を屈め襲いかかる刃をかいくぐりリヨウを追った


リヨウは包囲網を抜け出すと槍を地面に突き刺しそれを蹴って再び急上昇した


それに鉄砲を構えた兵が狙いを定めると

包囲を抜け出したアキヨリは駆け抜け様に槍を引き抜き鉄砲を構えた横面をなぎ払った

兵の首は真後ろを向き鉄砲は虚しく空を撃ち抜いた


それを合図としたかのように突然土煙りが巻き起こり

地響きが鳴り響き

それは瞬く間に兵達の前を通り過ぎて

走り去ろうとするアキヨリを飲み込んだ


アキヨリの背中に照準を合わせた兵達は撃ち抜くべき的を見失なった


「アキヨリ殿無事かー!」


仲間達が数十頭の軍馬を引き連れ駆けつけたのだ

走り抜ける一頭に飛び乗るとアキヨリは更に尻を一発叩きすぐさま馬の腹にしがみついた


「逃がすんじゃねぇ!馬でもガキでも何でもかまわねぇ

撃て!撃て!撃て!」


頭の上を無数の鉄砲の玉が音をたて飛び去って行くと

アキヨリの乗った馬が撃たれ いななき倒れた

すぐさま次の馬に飛び移りまた腹にしがみつくともう玉は飛んで来なくなっていた

鉄砲の射程からついに逃れたのだ


馬の背に乗り直すとアキヨリは叫んだ


「ざまあみろおぉい!!」



つづく


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