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第一話 俺のプロローグ

これから宜しくお願いします。

今日はもう一話投稿するかもしれません(溜書きの量によります)

「なあなあ、IN GAMESが新しいゲームを発表したんだぜ?」


 街ではこんな会話で溢れていた。と言うのも、制作から販売まで自社が手掛ける【IN GAMES】は、ゲームの数こそ少ないが、その分完成度と毎回増える新機能に日本中が大人気だ。

 その内世界にも進出する事は予想が付いている。


 そして最新作、Self Infinity Onlineは、自分次第では永久に遊ぶ事も可能な、夢のあるゲーム。

 しかもそれが【IN GAMES】の最新作、と言う事もあって家電量販店やゲーム店は超大賑わい。値段は後に説明する、“HIGH・VRギア”も合わせて12000円。まあ用意出来る金額だ。


 俺はゲーム開始前日の昨日に購入した。既にβテストは終わっている模様で、問題等は発見されなかった様だ。

 さあ次に準備に必要な物について。

 このゲームに必要なのが、まず頭に装着し、脳にゲームで感じた信号を送る、“ハイ・バーチャルリアリティギア”、通称“HIGH・VRギア”と呼ばれる機械。これはゲームで食べた食べ物の味、聴こえて来た音、触った感触、眼で見た視覚全てをリアリティに再現する事が可能である、現代技術の汗と涙の結晶だ。

 

 そしてゲームソフト。取り敢えず取扱説明書は何度読んだ事か。ゲーム自体は小さなメモリーカードの様な物。それを“HIGH・VRギア”に差し込むとゲームの読み込みが始まる。現在は準備中の為読み込みは始まらない。

 ふぁぁあ……。

 眠 い……




「……!! ぬあぁぁぁッ!」

 直ぐにパソコンを開き時計を確認。時刻は17:48ゲーム開始が18:00危ない……。誰よりも心待ちにしていたのに寝オチするとこだった。

 そうだ。親に挨拶でもしよう。行ってきます。もう直ぐ大金持ちになってるかも知れないけれど、ビックリしないでくれよな!

 

 気持ち悪いな俺……。

 

 と言う事で、紙切れにVRMMO行ってきます。今日晩飯はいりません。とだけ書き残し、俺は“HIGH・VRギア”を頭に装着し、メモリーカードを読み込んだ。


 遂にゲームを起動。

 視界にはデジタルの画面が現れ、今自分は一面真っ白の世界が広がっている。そしてそこにはネットワーク環境が混み合っております。もうしばらくお待ち下さい……とメッセージが流れ続けている。

 

 しかし数秒でまた画面が動き出した。今度はプロフィールの設定をして下さいと視界右上にメッセージウィンドウ。


 目の前には水色の長方形をしたウィンドウ。これをタッチすると更にウィンドウが現れる。キーボードだ。まず名前は……スイセンで良いか。性別、血液型、職業も設定。職場も入れるのか。俺の場合は高校。ん? 緊急連絡先も入れるとは……セキュリティがしっかりしているーーいや、逆か? 


 俺の華麗なキーボード捌きによってこの作業は終わった。華麗かは確証が持てないが。


 最後に、アバターを装着しますか? それとも顔を変えずにプレイしますか? というウィンドウ。

 少し悩んだが、顔は変えない事にした。


 視界の右上には新たなメッセージウィンドウ。プロフィールを設定しました。それでは【IN GAMES】の世界をお楽しみ下さい。と。

 フッと意識が消え、目を開くと何処かの広場に倒れていた。視界左上には“エルピスタウン”と表示されている。


 遂にゲームスタートか。


 メニューウィンドウは確か、右手を上に振り上げるだったな。その通りに腕を動かすと、水色で長方形のさっきと同じ形のウィンドウ。

 そこにはプロフィールを始めとする、装備や能力、フレンド等と言った、至って普通のゲーム画面。


 とにかく少し周りを探索だ。メニューウィンドウを閉じるのは、右手を振り下げるの筈。動作認証は成功だったらしく、メニューウィンドウは細かく折り畳まれ消えた。


 広場にはゲームプレイヤーがざっと20人程。これだとプレイヤーの一握りにも及ばないだろうから、別の場所でも生み出されるのだろう。自分の身体をぺたぺたと確認したが、特に体型、身長、顔の形は変化が無い。顔を変えないと言うのがここまで精密とは。真っ黒の目に、目元まで伸びた生まれつきの茶髪。少し長めの脚、腕。全く変わっていない。服装は茶色のローブにジーパン、至って普通だ。


「ふぅ。1回戻るか」


 メニューを触っていて気付いた。ログアウトボタンが……無いからヘルプを見よう。


 お、また視界右上にメッセージが流れる。製作者の催しがあります。1番近い街の広場に集合して下さい。

 広場って言ったら……ここか。今居る場所だな。

 しばらくそこに居座っていると、沢山のプレイヤーが集まって来た。何だかプレイヤー同士でザワザワしている。するとまたメッセージ。製作者が不在なので、メッセージで催しの内容を伝える。プレイヤーは散っても良い。と書かれている。そのメッセージに書かれていた内容に、


 広場全体、プレイヤー全体が驚愕した。

「ようこそ、我が【IN GAMES】新作の世界へ。ログアウトが出来ない事は、もう知っている方も居るかも知れない。こちらの不具合でログアウトが出来ない状態になっている。緊急連絡先にその通知は送った。恐らくログアウトはゲームクリアしなければ一生不可能の為、ラスボス討伐、ゲームクリアを目指して欲しい。この運営の不祥事に私達のゲームはこれが最終作だろう。なのでここで発表する、只今より、実験を開始する。このゲームで死んだプレイヤーは現実世界でもリタイアだ。それだけを覚えておけ。それと最後に。現実世界での睡眠、トイレ、食事の必要は無い。後時間の問題も無い。現実世界の1秒はこの世界の10日。つまりこの世界の1年は現実世界の、約30秒。まあ向こうにしては一瞬の出来事なんで心配いらない。では我が社の最高傑作、S《SELF》I《INFINITY》O《ONLINE》をお楽しみ下さい」


「嫌だ……嫌だ……」


「死にたくない……出せぇぇぇぇ!」


「うううううううう……」


「話が違う! では現実世界の本体はどうするんだ!」


 俺達に希望も夢も無くなった。向こうはこちらの声等聴こえないのは知っているのに、ウィンドウに阿鼻叫喚の声を浴びせるプレイヤー達。



「メニューにプレゼントが届いてるぞ」

 何処かの冷静なプレイヤーがプレゼントに気付いていた。そして広場に居るプレイヤーは一斉に腕を振り上げ、メニューウィンドウを開いた。全員では無い。ショックで地面に倒れ込む者も居た。


「ラッキーな貴方達へプレゼントがあります。 プレゼントは“エルピス”で生成された方は攻略に役立つアイテムですよ……。だって」

 


 少なくともラッキーでは無い事は俺にも分かる。


 メッセージを読み切った頃に、新たなウィンドウにルーレットが浮かび上がった。回転速度はどんどん速くなる。これで当たった物を貰えるのか。さっきあったアイテムでめぼしい物は、やはり装備だろう。覇王の剣やら、魔剣士の防具一式等。中にはタンスなんてハズレもある。

 目押しは得意だが、やはりさっきのショックで、定まらない……ああ定まらない……


 こうなりゃ直感。運命力に賭ける。俺は目を閉じて……


 大釜(薬品専用)


 は?


 

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