一話『隕石落下』
健二が家に帰り、いつものように新聞を取ると、広告が出ていた。
「隕石接近中」
「バカか」
そう言って健二は相手にしなかった。
全く信用しなかったわけでもなかったが。
その日、健二は異常な悪寒に襲われた。
「くっ…」
気分が悪いのでその日は寝入った。
そして、翌日。
休みだった。
「休みか…」
起きてすぐやるべき事は、新聞チェック。
「…またこの広告か」
二回続けて同じ記事を見たので、テレビもチェックした。
ニュースではその事をいち早く報道していた。
衝突まであと三日らしい。
「くだらない」
健二は今回も相手にしなかった。
しかし、気にかかる部分もあったので、友達を呼んでみる事にした。
真美、闘志、玲人、正樹、剛士が揃った。
「おぅ、聞いたぜ」
「隕石衝突だってな」
来るなり発言をかました。
健二の言いたい事はその事だった。
「ああ、それで、みんなは信じる?」
健二が聞くと、みんなは目を丸くした。
「は?いっとくけど、それ…本当だぞ」
闘志が顔を暗くして言った。
「な…んだって」
「外見てみろよ」
玲人が言う。
外に出て、空を見上げる。
…ある。
確かにある。
巨大な石の塊が。
「逃げようぜ…無理だよ…あんなもの」
剛士が言う。
「そうよ。私だって、健二に死なれたくない」
真美が嬉しい言葉を言ってくれた。
「そうだよ、俺らも真美と同じ意見だ」
正樹も付け足す。
「…そうだな」
こうして、各友達の親に頼み、健二達は先に逃げる事にした。
「バイクで行くぞ。かっとばしてな」
玲人が言う。まさに楽しそうな表情だ。
「持ち物確認だ」
闘志がやけにまじめだ。
「リュック、財布、ケータイ、携帯ラジオ、非常食、薬品、腕時計、その他必要な物」
闘志の確認に、全員が「OK」と言う答えを出した。
「よし、じゃあ出発だ」
携帯ラジオをニュースに設定する。
早速ニュースが聞こえてきた。
「現在、隕石の衝突が早まってしまいました」
健二が焦る。
「何!畜生!」
「急げ!走らせろ!」
そして、数時間逃げた後だった。
「隕石が衝突します。直ちにお逃げ下さい」
街中のスピーカーから聞こえる。
「うっせぇな逃げてるよ!」
あと数時間後で落ちると言う事だった。
そして数時間後…
隕石は落ちた…
衝撃は健二達にはこなかった。
しかし変だった。
落ちたはずなのに、地震範囲が狭いのだ。
一体、何だったのか。
「おい、健二、戻ってみないか」
玲人が言い出した。
「…その気だ」
こうして一向は、戻ってみる事にした。
ここからが本番です。楽しみにしててください。