序章
今度はSFモノです。
楽しんでいただけたらそれで嬉しいです。
がんばります。
いつもと変わらない日常だった。
ある女性の体内には胎児が存在し、
ある男性は通勤中の電車内。
そしてある学生は学校に通い、
またある悪人は泥棒をして。
どこかで人が死に、どこかで人が助かる。
そんな変わらないいつもの日常。
平凡な通勤ラッシュなどが行われているこの世界。
そんな世界の裏側が現れるこの物語。
それは東京都のとある学校の生徒が体験する。
彼、一之宮健二は、高校二年だ。
「今日も退屈だな…」
優れた勉強力
優れた身体能力。
彼はクラスの憧れの的だった。
いほば、「モテる」奴だった。
しかし、そんな健二もお年頃。
彼女だって居る。
松山真美という。
「おいっ!健二〜!」
叫んで頭を叩いて来たのは親友の森川闘志。
何ともカッコいい名前である。
「闘志か…なんだよ」
「遊ぼうぜぇ!」
「何して」
冷静に対処する健二。
「もう、察しが悪いな。分かったよ」
そういうと闘志は缶ジュースを出した。
いつの間に…ってかいつ出したんですか。
健二と闘志はいつもの“隠れ場所”でジュースを飲みながら漫画を読んでいる。
「ここ、絶対見つからないからな」
「まぁ…確かに」
成績クラストップとはいえ、こんな一面もあったりする。
「さて、そろそろ授業か」
健二がジュース缶を闘志に任せて、走り去っていった。
「ったく…」
残ったのは闘志の苦情だけだった。
健二は生まれつきの“天才”と言う奴だった。
授業放棄しても、成績は変わらなかった。
ただ、授業態度は余り良くなかったらしい。
そして、二回目の休み時間。
「よっ、健二」
「今度は誰だ…なんだ盛岡か」
彼は友達の森川玲人。
一見女かと思いそうな名前だが、男だ。
「今度はって、…ああ、森川か」
「ああ、そうだよ」
今度はクールな男がやって来た。
健二よりモテそうだ。
「東條だな」
盛岡が言った。
「おぅ、健二、玲人」
彼も友達の東條正樹。
かなりモテ系だ。
「今日も退屈だな」
健二と同じ台詞を吐いた。
正樹もまた、“天才”なのである。
「何か面白い事起こらないかな」
また闘志がやってきた。
「そうだな」
そこに出てきた。松山真美。
「あ、健ちゃん」
「…おう」
彼女。
彼女だが、学校であまり行動は出すなと言われていた真美だった…。
そこで丁度良くチャイムが鳴る。
「飯だ!」
頭が狂っている(みんなから見て)奴、猿山剛士。
頭の悪さはハンパじゃない。
そんなこんなで、一日は終わった。
しかし、“楽しい事”はこれからだったのを、健二達は知る由も無かった。