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第一話

初めまして。おりと申します。

ネットに投稿するのは初めてなので、誤字脱字や不慣れな場所などが多くあるかと思います。申し訳ございません。


また、タグにもありますとおり、オメガバースBL小説となっております。ちょっとBL…とかではなく、主人公と相手が男同士です。体のことに関する描写(生理など)も含まれます。独自の設定が登場してくる場合もあります。

苦手な方はご閲覧をお控えください。


性的要素は含みませんが、主人公が家族に冷遇されます。虐待、ネグレクト要素あります。

オメガバース設定ですので日本の史実とは異なるところや生物学的におかしいものが多々あります。


それでもいいよ〜、とか、純粋に興味をもって読んでくださる方がもしいらっしゃりましたら、とても嬉しいです。拙いものですが、よろしくお願いします。


 かつん。かつん…。小さな音が、廊下の向こうで響く。ぎぃ、とドアの軋む音がして、戸が開いた。

 頭を下げている僕からでも、足元が見える。高級な革張りの靴に、グレーの落ち着いたスーツ、みたいなズボン。細くてしゅっとしていて、かっこいい。かっこよくて強そうな、僕とは住む世界が違う人だって、そう思った。

「東雲様、本日はお日柄も良く…」

父さんがばっと近寄り、話し出す。どくどくと心臓が痛かった。どうしよう。僕にこんな大役が務まるのだろうか。本当に僕なんかでいいのだろうか。

 話すなとは言われているけれど、この後はどうすればいいのだろう。顔を上げるのはまだ駄目なんだっけ。挨拶、ほんとにしなくていいのかな。

「…る、はる!」

軽く揺さぶられて初めて、音が耳に戻ってきた。父さんの声に弾かれるように顔を上げる。

「すみません、少し考え事をしていたようで。…はい、こちらが私らの娘の『はる』になります」

 …ああ、気持ちが悪い。心の内でこっそりと呟いてしまった。いつもなら僕を叱り飛ばす場面だったのに、そうしなかったのは人の目があるからだろうか。

 娘、という言葉にも棘が含まれているようで、嫌だった。娘だったらまだ、よかったのにね。こんな厄介な体じゃなくて、女性なら。

「…綺麗なお嬢さんだ。初めまして、東雲和真と申します」

思考がまた逸れていたことに気づいた。慌てて声の主を見る。

「…!」

思わず言葉が出なかった。姉さんはおじさんだって言っていたけれど、全然そんなことない。

 淡い水色の髪に縁取られた、優しげな整った顔立ち。柔らかな赤の瞳が少し怖くて、でもすごくあたたかかった。声は少し低めで、穏やかだ。僕を安心させるように、彼がそっと首を傾げた。

 …この方が、東雲和真様。

 今日が結婚の日だというのに、初めて会う。それがひどく申し訳なかった。

 …よろしく、お願いいたします。

 声に出さないまま呟いて、もう一度頭を深く下げる。僕に声を出すことなんて許されていないのだ。

 …決して気づかれてはいけない。僕は女性として、東雲様と結婚して生きるしかない。

 それだけが、僕の歩ける道なのだから。



 

ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。

短いのか長いのかの判断がつきませんが、ひとまず第一話は終わりとなります。

あとがきに何を書いていいのかわからないレベルで作者が不慣れで申し訳ないんですが、今後の和真とはるを、その家族たちを見守っていっていただけたら幸せです。

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