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第1話 増築を試みる

 あれから丸一日ぐらい経ったが、特にすることがない。

 俺はぶっちゃけ超暇を持て余していた。

 スキルの〈視界B+〉でいくつかダンジョン内の部屋を見たが、広さに多少の違いはあれど何処も似たり寄ったりのデザインだった。

 俺自身がダンジョンそのものなのだから当然だが、この視界スキルはいわゆる監視カメラの様なもので、様々な視点からダンジョン内を見ることができる。

 全体像はまだ把握できていないが、正直なところダンジョンと呼べるほど大きくはない。

 およそ5部屋ほどに分かれている程度で階層もない。

 つまり与えられたスキルで増改築をしていけということなのだろう。


(まぁ、〈改築〉と〈増築〉ってスキルがまんまソレだよな)


 俺はとりあえず暇潰しにそれらのスキルを使ってみることにした。

 せっかくの第二の人生だし、貝のようにボーっとしてても勿体無いしな。

 スキルの使い方は簡単だ。ただスキル名を心の中で唱えて念じれば発動する。

 視界スキルもそんな感じで、慣れてしまえば自転車に乗るより容易いものだ。


(まずは増築からだな。もっと入り組んだ通路とか部屋数を増やしたいし)


 という気軽な感じでスキルを使ったのだが――。

 まさかの問題が発生してしまった。


(……マジかよ)


 増築スキルを唱えた直後、石材が空中に1個出現し床に落ちた。

 それは壁や床に使われているのと同じ物だ。大きさはよくあるレンガ程度。


(え……これだけ? 1個!? たったの!?)


 確かに唱えるだけで綺麗に角切りされた石が出てきたことは凄いことだ。

 普通は専用の工具や機械を使って作るのだから。

 しかし、こんな小さな石材が1個あったところで何の意味もない。

 てっきり部屋が魔法的な感じで広がるスキルかと思っていたが、まさかの素材が出てくるとは。

 どちらかと言えば、増築ではなく錬成スキル的なものじゃないのかこれ……。

 

 その後、仕方なく増築スキルを唱えまくって石材を出していたが、なんと10個までが限界だった。

 以降は唱えても出てこなくなってしまった。

 MP切れかと思ったが、ステータスを確認してもMPは減っていない。

 視界スキルもそうだったがスキル系はMPを消費しないはずなのだ。

 ならばスキルの使用限度なのかもしれない。例えば1日に発動できる回数がスキル毎に決まっていて、今の俺だと増築スキルは10回までとか。

 ここら辺のことはスキルに説明が無いので分からん。まことに不親切な設計である。

 もしこの仮説が当たっているとするなら、とりあえずレベルを上げなければならない。

 レベル1の雑魚ダンジョンのままでは出来ることも少ないのだろう。


(でもどうやってレベルを上げればいいんだ……いきなりつまづいてて草)

 

 

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