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永遠にモノローグ  作者: かな
弟目線
9/13

それ

1

それが見えたのはいつからだっただろう?

3歳ごろには一緒に遊んでいたように思う

黒いスーツにサングラス姿だったから、最初は誰かがふざけて遊んでくれているのだと思っていた

周りからは、1人で遊んでいるように見えていたのだろう

子供特有の遊び方で、そこに誰もいなくても不思議には思われなかったのだろう

そのうち、それは人でもないし神でもないのだろうということが分かってきた


いるときもいないときも気まぐれで、ごっこ遊びがてら後をつけると消えてしまう

けれどよくあるホラー映画のように襲われることはないし、逆に優しく見守ってくれているようで、怖いとは思わなかった


色々なものを動かしてバリケードにしたり、追いかけっこをしたりして遊んでいたように思う

年の近い兄弟も一緒に遊んでいたから、彼もそのときから見えていたのかもしれない

もう1人、年の離れた兄はさすがにそんな子供っぽい遊びには付き合ってくれなかった


仲の良かった兄とは、中学のときにようやくお互いに見えるという話をした

年の離れた兄が、それを拒絶していたことがきっかけだった

意図してか知らずか、自分の絵を使って結界を張ったらしい

そのときには勝手にトランスポーターと名付けて遊んでいたから、兄がそれを式と呼んだときには驚いた


驚いたと同時に、式かと納得もした

どうやら兄には、それが平安の衣装を纏って見えるらしい

だから式と呼んでいると言うのだが、きっとそれが正しいような気がした

あれほど遊んでいたのに、額の紋に気付いたのもそのときだった

こちらの見え方も説明し、トランスポーターあるいは略してポーターと呼んでいることも話した

兄は逆に、ポーターという呼び方が気に入ったようだった


兄はそれがどこから来ているのかを知らなかったから、一緒にあとを付けて、この辺りで消えるという話もした

そこには家紋の彫られた鴨居があって、兄はそれが神さまの御使いとして、神社と繋がっているのじゃないかと言った

兄は当たり前のように話すが、それは納得するとともに、目から鱗の情報だった

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