おしまい
15
後日、弟と話したところ、兄は本当に普通の人になったらしい
あれほど閉じこもっていたのに、ケロッとして、念仏も唱えないし結界も張っていないと
絵は変わらず好きで、書いて貼っているのだが、それはもう結界にはならないらしい
わざとらしく式のいる方向に注意を向けても、目線はすり抜けているようで、やはり見えていないと思うと弟はいう
それから、ポーター(弟は式をそう呼ぶ)は嬉しそうだと送られてきた
以前より距離が近しいというか、これまでは知らせなかったような、嬉しい前触れや注意を送ってくるようになったと
こちらでは時折、違う式を見るようになった
あの三鱗の式だ
どうやら、同じ境内に小さな神社があって、三鱗の式はそこから来ていたらしい
調べると、親戚のような関係性だと分かった
羽交い締めにしていたのは、間違って現れた式を止めようとしていたのかもしれない
そこで見つかってしまったから、慌ててしまい、すぐに姿も消せなかったのかもしれない
部屋にあるのは左三つ巴の紋だけだから、付いてくることは出来ても、羽交い締めにした式が消えようとしなければ消えることも出来なかったのだろう
弟も嬉しそうで、兄は元々見えないことを望んでいたのだから、うまく収まって良かったといっていた
自分も、まぁこれで良かったのだろうし、全て良きように、なるようになっていくのだろうと思った
左三つ巴は神社に良くある紋のようですが、源氏の紋という設定で書いています
三鱗の紋は北条家の紋です
源氏のことが気になって家系図を調べたところ、北条家と親戚関係があったので
(頼朝さんと北条政子さんは有名だけど、知らなかったw)
三鱗が神紋の神社はあるのかな?
思いついたことを書いていってるので、架空設定です
鶴岡八幡宮内に弁天さまの神社があって、政子石という石があります
だから勝手に、左三つ巴と三鱗の紋を使わせてもらいました