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幻影ポリス  作者: 藍果
2/2

質問2何故わかるのですか?

遅くなりました。

あれから、シグレはすぐに噂が流れた。

あっという間に有名人である。


「元ヤンらしいよ」

「前の学校、退学になってたんだって」

「イジメの主犯らしい」


これらは初めの印象が一人歩きして

尾ひれがつきまくった結果である。


彼女は言い返す事もせず、誤解を解こうともせず、ただひたすらに窓を見ている。


違和感しかない彼女がやっと

''当たり前にいるもの''と認識されたころの事

だった。


誰も近寄ろうとしないその席に2人目の足音が聞こえた。そしてこう言ったのだ。


「僕は感情はある…と思う…」


遠慮がちに発したその言葉は確かに彼女へと

届いた。


彼女は綺麗に手入れされた髪を乱暴に掻き上げて言った。


「よかった。質問を返してくれる人がいて。」


心なしか少し微笑んだように見えた。


「ねぇ、なんで誤解とかないの?」


その男、”九重 イツキ”は不思議そうに言った。


「何故誤解だと思うの?」


質問を質問で返され、少し戸惑ったけれど

一呼吸置いてイツキは笑う。


「君の眼が優しいから…かな?」


そう言ってから少し照れたようにそっぽを向いた。


「じゃあ、私の仕事を教えてあげる。」


何故じゃあなのかわからないが、シグレは

足早に教室を出た。


まるで彼女を送り出すかのように静止画みたいな太陽が泳いだ。


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