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花の名・前編

おじょうさま。

 誕生日が終わってから一つ楽しみが増えた。

「おかえりなさいませ。お庭にどうぞお早く」

 爺やの声に、もしかして、と胸をときめかせる。護衛の騎士がそわそわし始めたイザベルに朗らかに笑い、鞄を持ってくれた。


 制服のまま息を弾ませて庭に走る。やわらかな緑に囲まれて庭師が頬を緩めて待っていた。

 息を整えながらそっと花壇に近づく。

 そこには淡い紫色の小さな花が陽光を浴びて凛と立っていた。大好きなお兄様から贈られた花の種がとうとう蕾を開いたのだ。種を撒いてから庭師に習い、毎朝水と土の様子を見たり、放課後に話しかけたりしていたので嬉しさも一入だ。

 にこにことやわらかく目を細める庭師に今日までの指導の礼を伝え、この花の名前を聞く。やはり図鑑で調べて推理した通りだった。イザベルはふにゃりと頬を緩めて、菫に淑女の礼をした。

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