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復習は念入りに

お嬢様とご友人。

「イザベル、例の大作戦の進捗はいかが?」

「皆様のあたたかいご協力のおかげで着々と進んでおります」


 恭しく差し出したメモを眺め、マーガレットが薄藍の瞳を細めた。髪飾りにブローチ、演劇のチケット、花束、新作の焼き菓子、徳と多幸感の高い猫、魂の籠もった新曲、もう駄目だと覚悟した苦手科目の単位などなど。快く協力してくれたクラスメイトから入手した、嬉しかった贈り物についての貴重なご意見である。

 非実在口髭をちょいちょいと撫で、マーガレットは大仰に息を吐いた。

「イザベルくん、惜しいなあ。今まで君がこの難局をどう乗り切ったのかという重要な報告がここにはないぞ。再提出は可及的速やかに頼むよ」

「そうそう。予習も大事だけれど、復習はもっと大事ですよねえ」

「ひえ」

 背後からたおやかな手がにゅうと伸び、肩を叩かれた。イザベルは悲鳴を上げた。殿下に捧げた贈り物の歴史について、マーガレットとグレイスの綿密な調査が始まろうとしていた――

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