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もんだい

おじょうさまとおとうさまとおにいさま。もんだいがもんだい。

 なぞなぞといえばまだ答えの知らないものがあった。イザベルは父に尋ねることにした。

「おかあさまが次からは早馬はできるだけ遅くしていただきます、と。何でしょうか?」

 父は澄んだ翡翠色の瞳をきょとんと瞬いた。

「早馬が遅くなると遅馬。答えはロバかな?」

 途端、咳が聞こえた。父に掴まり身体を起こすと書棚の前に兄がいた。父が心配げに兄を呼んだ。けれど、兄は「どうか構ってくれるな」と険しい顔つきで答え、咳き込んだまま背を向けた。肩も背中も大きく震えている。母が少し寂しげに笑っていたオトシゴロというものなのかな、とイザベルは理解する。

 兄に向き直って腰を浮かせた父もなんだかちょっと寂しそうな横顔だったので袖をきゅうと引き、肩に頬を擦り寄せた。

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