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歴史は繰り返す
おとうさまとおにいさま。
似たもの兄妹。
上着を脱いで家令と点検していると、部屋から出てきた息子に怪訝な顔をされた。娘が先程までひよこのようにずっと後ろを付いていたことを説明する。
「ニール。昔、お前がむくれて出勤前の私のコートにひっつき虫をたくさん付けたことがあっただろう?」
あの日は遅刻回避のため種を大量に付けたまま出勤した。それを数日間研究所に置き忘れ、手入れをする家の者を泣かせた。家令に叱られ、ニールと二人で大量の種を取り除きながらじっくり話をしたものだ。
微笑ましい記憶に家令と目を細めたが、現在のニールは眉一つ動かさない。ただ深く吐息し、「直接お聞きするのが良いかと」と前方を指した。角から淡い金髪が飛び出てぴょこんと揺れていた。





