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さいきょうのたて

おうじさまvs.代打のおとうさま

 陽だまりに寝そべる猫は、息をするたびに腹も背中もふわふわ上下し、しっとりした小さな鼻も天鵞絨みたいな三角形の耳もつやつや光っている。どの部分を見つめても全身を眺めても可愛い。おにいさまのおじさまが自慢していたとおり、どこもかしこも、ふわふわふかふかぴかぴかつやつやしていてとても素敵だ。

 羽ペンよりもしなやかで立派なもふもふの尻尾を観察していたら、ヘンリーおにいさまと目が合った。美しい空色を閉じ込めた瞳が、春の陽射しに溶けるようにやわらかく緩んだ。イザベルは口元をあわあわさせて父の袖を思い切り引いた。父は目を丸くしたが、すぐに抱き上げてくれた。

 こくんと首を下に向け、父の胸に頬を擦り寄せた。胸がきゅうとなった途端に顔が熱くなったのだ。なんだか恥ずかしくて、イザベルはヘンリーおにいさまをしばらく振り返ることができなかった。

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