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エール・前編

おかあさまとおとうさま

 子猫との交流以来、娘は気落ちが続いている。夫はというと、娘のいない場でそれを案じる日々を送っている。遅くに生まれた娘が心配でたまらず、いつになく眉を下げて書斎を所在無げに歩き回る姿は少々面白い。研究所で大規模な実験が続いてもここまで不穏だったことはない。


「誰からも好かれるものではないのだと早くから経験できたのは良いことですよ」


 第四王子殿下との婚約が決定したのだ。それは将来、王家の人間として社交界に立つ日が約束されているということでもある。心無い者から痛烈な洗礼を受けるよりも早く、子猫に懐かれずに母猫からパンチを受けたなど可愛いものである。気の毒ではあるが。


「どうぞ直接お話なさってくださいな。励ましはその方がずっと嬉しいものですよ」

 笑いかけると夫はようやく頷き、ピアノの音がするサロンにとぼとぼ出発した。

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