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兄なるもの

第三王子と弟王子とその婚約者のご令嬢。

 甘えるように鼻先を膝に擦り付けたり、よじ登ろうとしたりする子猫たちに頬を緩め、二人がうっとりと息をついた。

「さすがです兄上!」

「おにいさますごい!」

 強い煌めきを帯びた青色と菫色の瞳が第三王子をわくわくしながら見つめている。

 次兄は友人のオーキッド侯爵子息の家を昔からよく訪ねていたが、末弟と侯爵令嬢との婚約の決定前からも嫌な顔せずに気楽に弟を同伴させていた。第三王子である自身はというと、おとなしく手のかからない弟だからこそ行動を共にしたことはあまりなかった。弟が生まれるまで彼自身が末弟であったのだ。故に、まっすぐに向けられる年少二人からの憧憬の眼差しというものは、なんともむず痒い。

 これを真っ向から否定するでもなく、受け止めるでもなく、さらりと受け流すだなんて。兄上たちはやっぱりすごい、と心から思った。

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