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詩集「てのひら暦」

つばさ【詩】

ココアのぬくもりが腹の底でフェードアウトしてった

母さん

こんな日はうちにいたいよ

手提げの中でそろばんの鳴る音が

まるで寄ってたかってがなり立ててるみたいな


めずらしく積もった雪は

薄く なかばとけて 透明に

公園をおおってた


ショートカットしようと足を踏みいれたら

先客がいたようで

象形文字って言うんだっけ?

規則正しく刻まれた小さなしるし


ψ

 ψ

ψ

 ψ

ψ

 ψ

ψ

 ψ

ψ

 ψ

ψ

 ψ

ψ

 ψ

ψ

 ψ


雪のうえ

途切れたその先は――


なあ

どこまで飛んでったの

どうして飛んでったの

なにを目指したの


飛ぶって何

空を滑るってどんな気持ち


全速力で走ってジャンプしたら

胸にぽっと火がともり

そろばんがじゃんばららと鳴った


はばたくような音だった


母さんが飛べと願った

ぼくの名はつばさ

2019年12月31日制作。

羽ばたき去っていく令和元年を振り返って。

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― 新着の感想 ―
[一言] 遅くなりましたが、企画より参りました。 今の子どもたちって大変ですよね。毎日、宿題や塾に追われて家でぼーっとすることもできないなんて。私はそろばんが苦手でしたので、そろばん塾に真面目に通っ…
[良い点]  不思議な詩でした。自身が羽ばたきたいという願望でしょうか? ひな鳥が羽ばたくように心の枷を取り払えたらと受け取りました。 [一言]  読ませて頂きありがとうございます
[良い点] 主人公は学校に行きたくない、傷ついた中高生。 いじめでも受けてたのかな、と思ってしまいました。 なので、透明で少し痛くて、蒼いように感じました。 素直に可愛らしい詩として読めない私は、ひ…
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