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続・Go To キャンペーン

あき「この間、ウチが参加する前は、そんな話をしとってじゃったんですね。日本政府の陰謀とか、何事かと思いました」

和泉「トンデモ理論なんだけど、町江が言うと説得力あると言うか、反論できないんだよね」

町江「トンデモ理論とは聞き捨てならない。かなりの確度で核心を突いているはず」

仁「いや、津本。お前の理論には、大きな穴がある。お年寄りが大量に亡くなるのが日本政府の狙いとか言うてるけど、日本政府はほとんどそのお年寄りで構成されてるやないか」

町江「ふっ、これだから考えが浅い人間は・・・」

仁「なんやとっ」

和泉「いや、実はあたしもそこがちょっと気になってたんだけど」

町江「・・・いい? 感染の拡大に不可欠なのが、バカな・・・頭の悪・・・頭の不自由な若者達なんだけど」

和泉「なんで言い直したの?」

町江「いや、差別的表現は避けようかと」

和泉「手遅れのような気もするけどね」

町江「その頭の不自由な若者達、まあ若者に限ってはいないんだけど、その頭の不自由な人達が、飲食店で騒いだり、娯楽施設で騒いだり、観光地で騒いだりすることで、感染が急速に拡大する訳なんだけど」

和泉「ふむふむ」

町江「政府の奴らは、頭が不自由な人達がいるような場所には近づかない。そもそもあいつら、自宅から目的地まで車で移動するから、公共交通機関の利用はおろか、公道を歩くことすらしないんじゃない?」

あき「はあ、言われてみるとそんな気もしますね」

町江「だから、奴らが年寄りだというのは、陰謀説を否定する根拠にはならない」

和泉「なるほどね」

仁「せやけど、結局年末年始は Go To 中断することになったやん。政府の思惑通りにはならんかった、っちゅうことやろ?」

町江「それは違う。年末年始に Go To を中断するところまで、奴らの思惑通り」

和泉「どういうこと?」

町江「現状、若者を中心に感染者数が飛躍的に増大している。それに対して、死者や重症者の数は、徐々に増えてはいるものの、緩やかな伸びに止まっている。何故だかわかる?」

あき「若い人は体力があるけえ、感染はするけど重症化せん、ちゅうことですか?」

和泉「逆にお年寄りは、感染すると重症化する可能性が高いけど、感染すると寝込むから、感染拡大には繋がりにくい?」

町江「大体あってるけど、一番の理由は若者とお年寄りの交流が少ない、ってこと。旅行にしても飲食店にしても、普通は若者は若者同士、お年寄りはお年寄り同士で出掛けるから、ウイルスまみれになってる若者から、体力のないお年寄りに感染する場面は、思ったほど多くない」

和泉「旅先でお年寄りのグループを見掛けても、同じテーブルで食事する訳じゃないからね」

あき「Go To トラベルは、宿に泊まらないとお得感が薄いし、そういうプランも少ないから、帰省には使いにくいですけえ」

町江「そう。政府の誤算はそこだった。お年寄りは感染するとすぐに寝込むから、お年寄りのコミュニティ内ではなかなかクラスタが起きにくい。感染者数は思惑通り増えているのに、それがお年寄りの減少に繋がらない」

和泉「もしかして暗に帰省を促すために Go To を中断した?」

町江「私はそう読んでる。あれだけかたくなに Go To はヤメないと言っていたのに、ある日突然中断を発表する。年末年始に予定がない人間が大量に発生するようなタイミングで・・・」

和泉「確かに、Go To 利用しようとする人達なら、旅行の計画がポシャッても、家でジッとしてる人は少なそうだね」

あき「ゴールデンウィークもお盆休みも帰省しなかったから、そろそろ・・・とか考えてる人、多そうですよね」

仁「例年なら飛行機とか新幹線のチケットが取れるタイミングとちゃうけど、今年に限っては簡単に取れるからね」

あき「でも旅行やめた人が帰省するとは限らんと思いますよ」

町江「何も、全員が帰省する必要はない。3分の1、いや2割もいれば充分効果は現れる」

和泉「確かに、今と比べたらお年寄りの感染者数は跳ね上がりそうだね」

あき「休み明けにお医者さんが診察始める時にどうなってるか、ちょっと怖いですね」

町江「休み明け直後はそうでもない。むしろ帰省した身内が感染源であることを隠すために、感染者をしばらく家に閉じ込める可能性さえある」

仁「うわっ、怖いこと考えるなあ」

町江「そういう風聞は、田舎町では致命傷になりかねないから、あながち的外れではないはず。ただ、自宅でできることには、自ずと限界があるし、翌週にも3連休が控えているから、7~8日辺りに医療機関に駆け込む人が急増すると予想している」

和泉「やっぱ、今回の帰省は回避するのが正解だね」

町江「ただ、感染を抑止するには、帰省をやめただけでは不十分かも知れない」

和泉「まだ何かあるの?」

町江「日本全国津々浦々で行われる、日本人が大好きなイベント。その名も初詣」

仁「あー」

和泉「行くな、ともなかなか言えないからね」

町江「一般参賀は取りやめになったけど、全国的にどこまで人出が抑えられるか不透明。むしろこのご時世だから、普段初詣なんかしない人達まで神頼みに走る恐れもある」

仁「確かにそういう傾向はあるかもな」

町江「更に」

あき「まだ何かあるんですか?」

町江「来年は間の悪いことに、宵えびすから残り福までの十日戎の3日間が3連休と丸被りしてる」

和泉「あっちゃ~」

仁「大阪の商売人は、こんなとこで自制なんかせえへんからな。一般人も交えて激混み必至やね」

和泉「堺筋線が特に混むんだよね」

仁「堀川戎と今宮戎のハシゴする人が、ぎょうさんおるからな」

香「そこで神社の関係者の皆様に提案が」

あき「香さん、いつからおったんですか?」

香「まあまあ、細かいことは置いといて、やな」

仁「どんな提案なんです?」

香「まず、神社の入口で入場制限する。いっそ入場料取るくらいの勢いで。そして一般の参拝者のルートとは別に、アリーナ席を設ける。ソーシャルディスタンスを考慮して、一回当たり5人くらいで。時間は、そうやなあ、一回2分もあれば充分やろ。これやったら、人混みが気になる人も、安心しておまいりできるからな。あと、アルコール消毒は不要や。お金を消毒せんと手だけ消毒しても意味ないからな」

あき「お金払ってでも、安全にお詣りしたい、って人はある程度おるでしょうね」

仁「確かに混雑緩和には有効かも知れませんなあ」

和泉「大阪だと、ホントにそんな神社があっても違和感ないよね」




早よ本編書けよ、って話ですが、今を逃すと書くタイミングがなくなりそうだったので・・・。

反省はしてますが、後悔はしてません。

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