表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コルシカの思い出  作者: 九JACK
十一周年記念
47/47

夏野菜とデッサン

「お、トマトあるじゃねーか。ルカ、食わねぇの? 食わねぇなら俺がもらうぜ」

「待って」

「食うのか?」

「デッサンしてる」

「は? なんて?」

「デッサンしてる。トマトを」

「なんで?」

「探してたら、ニコラスがくれた」

「探してたって、トマトをか?」

「デッサンのモデル」

「普通、そういうのって、リンゴじゃね?」

「なんでもよかったから。似たようなもんでしょ、リンゴもトマトも。赤いし」

「リンゴが赤いのは皮だけだろうに。

 つーか、絶対デッサンのために渡したんじゃないと思うが?」

「他に何が?」

「食えよ。今世話になってる宿の家主さん、農家だったろ。俺もトウモロコシの収穫手伝ってきたんだぜ。トマトはお裾分けだろ」

「そういえば、終わったら食べなさいって言われた」

「なら食えよ。ぬるくはなってるがまだ冷えてる」

「え、デッサン終わってない」

「さっさと終われ!!」

「誰? いきなり怒鳴ったりして……あ、アダムいた!」

「ん? ニノン、俺に用か?」

「あーっ! だめだよ、それルカの分! アダムの分はちゃんとあるから、盗っちゃだめですぅ」

「いや、盗らねえけどさ……おっ、キンキンに冷えててうまそうじゃねぇか!」

「でしょ? アダム全然見つからなくて、ルカにも聞いたらいないって言ってたのに」

「ああ、今戻ってきたとこだよ。それよりルカのトマト、冷えてんのに替えてやれねぇ?」

「うん、おねがいしてみる。ところで、ルカはなんでトマト食べてないの? アダムにいじわるされた?」

「信用ねぇな、俺」

「デッサンしてた」

「デッサン? トマトを?」

「うん」

「見せて!」

「ほら」

「わっ、すごい! 白黒だけど、トマトがそこにあるみたいにリアル! 影? の感じでトマトの丸さがわかって、ヘタがへにょってなってるのも!」

「よーし終わったな。食え」

「ふぼっ」

「ちょっとアダム! ルカのトマトは冷えてるのにするって……あれ?」

「冷えてんの食わしたわ。俺の替えてもらう」

「あ、アダムが優しい」

「俺はいつだって優しいが?」

「んもー、そういう何気ない気遣いができるところもアダムちゃんのいいところよね」

「わっニコラス、どっから湧いた!?」

「ふふ。そんなステキなアダムちゃんには、私からトマトのおかわりあげちゃうわ♪」

「お、さんきゅ!」

「ところで」

「ん?」

「トマト突っ込まれたルカが窒息しそうなのだけれど」

「はやく言え!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ