浮遊
私は浮遊を繰り返す。
だってそれは大空に羽ばたいている鳥の様に飛んでいるから。
空は大きくて広い。
肩から指先まで白い翼があると思い込んで、空を飛ぶイメージ。
私のつばさは誰よりも何よりも美しい翼。
大きく、大きく、羽ばたいて行く。
空が好きなの? 私。
うん。鳥になりたいの。
どうして?
そしたら、空にずっといられる、果てしないでしょ?
私は永遠に飛べないよ。
どうして。
翅が、羽が、ないよ。
うん。でも、わたしは、そらがすき。
空。
そう。そしたら。
落ちるのは、只の落下。でもね、私。
人間だけど、私たちは、絶対、飛ぶことも出来るの。
風に当たる目をゆっくりと開き、目の前に広がる景色を見る。
人間たちは今日も忙しく動き回っている。それに比べ私たちと言ったら、どれだけ幸せなんだろうか。
空は大きくて広い。