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人の頭叩くでねぇ


 雪奈が氷奈の怪我した両腕に包帯しているあいだ、朋江の頭と躰を少女座敷童と美香とが運んでリング下に寝かせる。早苗の躰は、下半身凍傷の為に暫くの戦闘不能。早苗の頭を抱えて美香がリング中央にきたとき、雪奈と氷奈もリングに上がって向き合った。

 美香は白いマットを蹴って、雪奈に膝で蹴りを入れたと同時に、頭を氷奈へと吹き飛ばしたが、身を屈められて空振り。だが、すぐに背後をとってその茶髪を顔に巻きつける。雪奈が膝を防御して、白い波を放つも避けられて、手持ちの早苗の頭で殴り飛ばされる。一方の美香の頭は、髪を巻いたまま飛んで氷奈を持ち上げるとしたが、相手が踏ん張っていた為に綱引き状態。氷奈が茶髪の隙間から、なんとか呼吸を得ようとしていた。次々に撃ち出されて来る白い波を、屈めては避けて跳躍しては避けながら、美香の躰は、足下を払って雪奈を転倒させた。次は、早苗の頭を振り降ろして、噛み付き攻撃を開始していく。

 一方こちらの氷奈は髪の毛に顔じゅうを覆われていながらも、隣りでした音を判断して、その方向へと手の平を突き出した。噛み付き攻撃に顔から腕で庇いながら、美香の躰から腹を蹴られつつ片腕をなぎって、雪奈が白い波を撃ち出す。氷奈から放たれた長い氷柱が、美香の躰へと次々に刺さっていき、それと交差するように白い波が吹雪いて、茶髪娘の顔半分を襲撃。髪の毛が凍りついて割れ、痛さに顔を渋く変えた途端に浮力を失って落ちかけると、追い討ちをかけるかたちで氷奈は氷で固めた拳で美香の頭を殴りつけた。リングへと叩きつけられて跳ねあがった瞬間、美香の意識が飛んだと同時に躰も膝を折って横に倒れ込んだ。これを見た早苗の顔から、たちまち血の気が引いてゆき、驚いた時にはすでに雪奈から髪の毛を捕まえられており、氷奈へと向けて打ち上げられた。

「レシーブ!」

 氷奈が両手を突き上げる。

「トス!」

 雪奈はこれに合わせて跳躍。

「アタァーーーック!」

 渾身の力で腕を叩きおろしたときに、早苗の頭がリングにめり込み、跳ね上がってバウンドを繰り返しつつ転がっていった。

 少女座敷童が駆け寄り、美香と早苗の頭の反応を確かめたのちに、解説席へと腕を大きく交差させていく。二人ともに、白眼を剥いて気絶していた。

 早苗、美香、朋江、戦闘不能。

 勝者、北海道代表・雪女の雪奈選手に氷柱女の氷奈選手。




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