「火って本当に人類の宝だよね」
8話
『仮漁網』を終えて、さっきの水場までひたすら歩く事
――数分
やっとの事で帰れた事に嬉しいとも思うが、まずは飯を食べたい。
早速、僕はこの皮の袋の中にいるこいつらをどう殺すか――
とキイシは模索していたが。
「もう、水に浸して溺れさせた方が手っ取り早い! 」
適当に水場に近くにあった岩に縛り上げて、そのまま大量の蜘蛛が入った袋を――
ポイッと水の溜まり場に放り投げる。
ぶくぶくっ、袋から酸素が無くなっていく。
(1時間位放置すればいいかな……)
と蜘蛛の入った袋を後にした。
生い茂った赤の実を踏んずけないように、近くにあった大きめな石に、キイシは重たい腰を落とす。
(さて、食べるにしても、まずは火が必要だよなぁ…… )
とは言っても、火起こしできる道具がまず無い。
石、それと地面に大量にある毒の赤い実以外ないのだ。
どうしたものか……。
頭を抱えていた時、また突如として現れた『ゲームの画面』。
『お困りですか?』
という文字に、僕は目を擦ってもう一度目の前に映る画面を見る。
「あ〜幻覚、ではない? それとも、この実のせいで目がおかしく……」
『いえ、 目の幻覚でもありません。それに下にある赤の実『デビル・アイ』の効果でもありません。 』
「物騒な……名前だけでもヤバいやつじゃないか……」
さすがに、ここまでハッキリしていると自分は幻覚を見ている訳でもないと、認識した。
まぁ、だからなんだと言いたい所だが。
すると、画面はピカッと光って違う画面に変わる。
そこには『YES』か『NO』とゆう文字が表示された。
いつかの時に出てきた画面と同じ。
少し違うのは、『火を扱うのでしたら、YESを』という文字が書かれていること。
キイシは何も考えず、『YES』に指が運んでいたが、ハッと思い出した。
ここではダメだと理性のお陰で大惨事を起こす事はなかった。
燃える物なら何でもいいのではと、そこら辺の実と草を大量に集める。
(本当は木が欲しかったけど……)
燃えやすい物があるだけマシだと思って、大量にかき集めた草をジッと見る。
(自分でも、あんまり正気じゃないのはわかっているが……)
それでも、この画面が本当の事を言っている事を信じて『YES』ボタンを押すと――
ボっ、と火が大量の草に灯され静かに燃え広がる姿。
焦げ臭い匂い、そして肌に伝わる熱によってこれは本物の火だと確信した。
「こんな簡単に火が……もしかして魔法の世界にでも飛ばされたのか? 」
訳の分からない事を言っている自覚はあるが。
そういう類を信じない自分でも、ここで連続して起こる事に、新しい考えが芽生え始めた。




