食料確保に必死
7話
カサカサと胃袋を引きずって距離をとる蜘蛛。
蜘蛛が煽るように自分の前足をクイッとした様に見えて、腹立たしい。
「ッ――待てっ! 」
いや、待てと言って待つ馬鹿はいないが……。
それを待つ馬鹿ではない蜘蛛は、何処かに向かって胃袋を引きずっている。
(どこ向かってんだ)
そんなこんな思っていたら、どんどん知らない場所に来てる気がしてならない。
走っていると、でかい音の腹の虫が鳴り響く。
(あぁ、あの実だけだから腹の音が……早めに捕まえないとな)
そう言っても、足が早くて捕まえられない。
こんな、リスク背負って行く必要か?
とも、思ったがこの状況が続けば確実にあの実をまた食べなければないないのだ。
嫌な選択に、脂汗が凄い出てくる。
(またあれ食べんのは嫌だわ……)
立ち止まって引き返したい気持ちはある。
が――
リスクを取ってでも、腹が膨れる思いはしたい。
それに、こんな所で死ぬタマでは何処に行こうが何処かで飢え死にするのだ。
それなら、リスク背負ってでも蜘蛛追って飢え死にする事だけは回避したい。
それだけの想いで、後を追う。
△▼△▼
(結構遠くまできたな……引き返せるか? )
湿った岩陰に隠れる様に、蜘蛛を見ているとカサカサと左右の耳から聞こえてくる。
見れば、大きな蜘蛛の巣がありそこには見ただけで6匹近く。
(数からして大体10体弱、 大群の巣じゃないな。小さな集団で、餌の分け合いとかかな)
蜘蛛達の群れは、食料を欲している僕からすればご馳走ではあるが……
「流石に、あの量一気に捕まえるは無理だなぁ……」
腕を組んで考えても、今持っている物で何ができるのだ。
(縄が切れて2つになった物と蛇の皮、あとはさっきの赤い実)
これだけで何ができると思った時、視界に転がる少し大きめの石。
石を手に持ち、1つだけ思いつく。
(あー、行けるかもだけど。 投擲系になるな……)
チラッと蜘蛛の方を見れば、胃袋に夢中になって食べてる姿。
――行ける
早速、まずは蛇の皮を準備。
結構大きめの皮だから、五匹釣れればいいなぁ。
と、思いながら端4箇所に爪を立てて開ける。
力技でやって何とか開き、その4箇所に2本の縄を上下の穴に通すと、『簡易網』完成〜。
後は、4箇所にお通した縄の残り端を『石縛り』しきで括り付ける。
「サバイバル知識、つけてて良かったぁ」
そう思いながらキイシは、岩陰からこっそりタイミングを伺う。
胃袋に夢中になり、取り合う様に密集したその瞬間――
(きたっ)
岩陰からでて、作った罠『仮漁網』を蜘蛛達に鋭い眼光を向けて投げる。
漁網はこんな使い方ではないけど、それでも蜘蛛の巣に張り付いた『仮漁網』の中には3匹近い数がいた。
その3匹は中心で胃袋を食べてた蜘蛛達ばかりで、逃がした蜘蛛は、何処かに行ってしまった。
『仮漁網』を蜘蛛の巣から慎重取り出そうとした瞬間――
ガチっと蜘蛛が皮越しに歯を立ててきて、反射的に引っ込めた。
「あぶなっ……慎重に――」
『仮漁網』の中の蜘蛛を見た僕は、初の食料確保に感極まってガッツポーズしてしまう。




