復讐決意とハード脱出
3話
持ち上げられた身体は、ある場所に着いたのか立ち止まり、そのまま放り投げ捨てられる。
一向に地面に着く事がなくて、穴に落とされたのだと理解した。
(また死ぬのか…… )
重力のせいで落ちるスピードはどんどん早まり、心臓は早く動きだす。
走馬灯の様に思い出すのはあの王の最後の言葉。
『失敗召喚など、国家の不吉でしかないわい。それにだ、失敗召喚は全員処分だと決めてるしのぉ』
僕が最後まで、抵抗しながら運ばれる姿を見て、下品に笑う声は
――助けてくれぬ、とゆう絶望感と無気力感を胸に僕の体は、暗闇の堕とし穴に落ちていく。
△▼△▼
目を覚ました時、初めに見えたのは、りんご5個分の蜘蛛が何匹も群がっている所だった。
「うわぁぁああッッッ!!!!!??? 」
いきなりで驚きながらもしっしと足で追い払うと、後ろへ下がって行く蜘蛛達。
諦めた様にその場から去っていくその姿を見て安心する。
体力がない僕は、ただそれだけの動作をしただけで息切れを起こした。
キッツ……と深いため息を吐くと、先程より幾分マシになった僕はその場を立ち上がる。
「……何処だ? ここ、」
薄暗いが、別に真っ暗とゆう訳ではない洞窟のような場所。
(すぐ横にある結晶の塊によって洞窟の中が照らされてるのか……)
と考えると、灯りがある事に感謝した。
「……僕はなんで生きてるんだ? 」
上を見上げてみると、底知れない深い闇。
本当にどうやって生きていた。
あんな高さから落ちれば誰も助からないというのに。
(悪運が良かったのか……其れ共、何か衝撃を和らげる物に当たったのか……)
考えとしては、何か衝撃を和らげる物体にぶつかったとしか考えられない。
偶然、何かの生物に当たれて、五体満足だったこの奇跡に深く感謝する。
「……ッ! こんな事してる場合じゃない。 」
ハッと思い出して、どうしてここにいるのか……と今更思う。
思い出す限りだと、やはり理不尽に崖から突き落とされてこの状況になったのだと。
(にしても、『無能』って……何が無能なんだ? )
そう疑問に思ったが、首を振る。
それでも、命があるだけマシか――
と思うが、やはり本気で殺そうとしていた奴らへの怒りが込み上げる。
(……こんな、何もしてないのにこの所業っ――命を軽く見てるから、こんな事っ)
思い出すだけで怒りが込み上げてくる。
助けて欲しくて、声を上げ続けたのにそれを笑い続けた王。
僕を持ち上げ、近くで声を出していたのに無視したあの男。
思い出した瞬間、硬い壁を殴っていた。
ストレスで死にそうな脳を落ち着かせる為、何度か殴って自分を落ち着かせる。
鈍い音と少しの血の臭い、骨が砕けそうな程ゴキッという音が何度も鳴る。
「ツッ……!! 痛っ」
拳から血がダラリッと流れているのを見て、やっとの事で冷静になった。
(怒りで支配されても、この状況は解決しない。 なら、此処を脱出したら、彼奴を……)
――彼奴に死と同等の復讐をしてやる……。
自然と口角が上がると、今後の事を考えるだけで生きる力と、抗う力が沸き立つ。
この感情を糧に、此処はまず脱出する事を優先しよう。
「……まずは、お腹空いたし食料を探そう」
気分が上がった僕はまず食料探しを開始した。




