レンガ迷路の攻略法
18話
――3、4、5、現れる道に一つ一つ書いて行く。
―6と書いた後、右に曲がった瞬間見覚えのある道が現れた。
「えっ、ここ確か最初の道の2番目……」
出てきた場所は僕が通った道と反対の道。
あぁ、本当にランダムなんだなと目を細めながら7と書き、前に通った道と同じ道を通る。
――8、9、10、11まただ。
11を通った時、次は3に戻ってきた。
3の道は、一本道でそのまま真っ直ぐ歩いた時は、4の道に行き別れ道があった。
(もしかして……)
一本の長い道のりを超えて幕を通ると、4とは違いこれまで通ってきた道とは違う、新しい12の道。
ただ、共通点があった。
それは、これまで一本道を通った道は二つの道に別れやすいという事。
ただこの新しい12の道は、これまで見た二つの道とは違い少し空気が澄んでる。
トーチの火はこれまでとは違う、力強い火が上がっていて、その温かさに頭がボーとしてくる。
「ハッ! 危ない、危ない。 」
右手を見れば、さっき6の道で巻き替えたばかりのシャツがもう、血で滲み出てる。
5の道にいた時に気づいたが、止血の意味がないぐらい血が止まらない。
「このままだと……ほんとにやばい」
そう思いながら、ギュッと右手を握り胡座をかいて座る。
そして、これまで通ってきた道の共通点はなんなのか、とキイシは思考をフルで動かした。
「共通点……とゆうより、疑問は多いな。 まずトーチだ。 左右で別れた道はだいたい火の強さが全く違う。有り得ないとは思ったが、ここまで連続的だと……」
次に、道だ。
道は、ランダムと思っていたのに一本道から二本道、また一本道から二本道、次に三本道。
よく考えて見たら、どこか――
「規則性がある感じがする……だとすると、」
11の通った後また3に戻ったあれは、パターンで――
また11の道を通れば3の道に戻るのか?
だけど、なにか違うような……11まで戻っても、意味無いように感じる……何故。
ふと、燃えるトーチを見る。
トーチ……そういえば、ここはよく燃えてるよな。
「……あっ……あぁぁ!!! わかったぞッ!」
よくよく考えたら、さっきのパターン化の考えは間違ってなかった!
もしかしてと、立ち上がりすぐ横にあった壁に耳をつける。
水の音は聞こえてこない、ならと反対の壁に走って耳をくっつける。
ポチャンと、水が揺らぐ音が聞こえてくる。
「水が流れてる……これなら!」
そう思いながら、キイシは自分の脳を整理しようと持ってた炭を持ち直し、レンガに図を書く。
「この感じだと、ここはランダムじゃなくてパターンがある。確か火の燃え上がりが大きかったのは、前の3と今の11。後は9と最初の1。 」
水が右側に流れてるのは、どこかにこの火が燃える風がある。
地下に近い場所ほど空気は淀みやすい。
だが、一つ疑問が残る。
ここは最初ランダムな迷路だと思っていたが、どうしてパターンのある迷路なんだろうかと。
「あぁ、そっか。 ここって本来上から下に下がるダンジョンなのに僕は逆に逆走してるからこうなってるのか。 そうなると、バグって感じかな」
だとすると、あの暗闇の幕は道がないとゆうより――
あるけど音が反響しない……先の見えない恐怖を煽る幕と考えるのが自然だな。
「悪趣味……」
そう思いながらも、話を戻す。
1の場合、左右に別れた道で炎の大きさが違った。
火の燃え上がり方で、1の右は地下に近い迷路の場所にループして。
逆に正面は出口に近い場所にきて……ん?
「あれ……よく考えてみたら、さっきの2てもしかして……………………出口だったりするか? 」
思い出して見たら、最初の入口は一本道だ。
自分が出てきた道は、左。
気づかない筈がない、なら――
「嘘っっ!!? さっきの扉くぐれば帰れた!? 」
トーチの影で見えにくかったというもあるが。
一番は、ランダムだとわかって全く冷静でいられなかった、僕自身の過ちだった。
このなんとも言えぬ事実に叫んでしまう。




