小さな疑問
17話
その結論に至った理由として、2つ。
一つは、音。
偶然石ころを投げた時、音は反響せず静寂が響いた。
普通の通路であれば多少は反響するはず。
偶然かと思って、他2つの道に石ころを投げても結果は同じ。
そうなると、音が完全に消えるのは空間が広いか……もしくは道がないか。
で、次の疑問は暗闇の幕を通った後に現れる道はなんなのか。
道は、僕が通った最初の一本道から、次に2つに別れた道、今さっき通った三本道。
すぐに振り返って戻った道には一本道と奥に右側通路で、さっきと全く違う。
そうなると、ランダムの可能性がある。
「ランダムだった場合、闇雲に歩いて出口を見つけることはほぼ不可能だな……」
口元に手を添え、キイシは頭でこれまで通ってきた道の共通点を探すが――
「やっぱわからん……、どうする」
レンガのある隙間を見ながら、ゆっくり右側を振り向く。
壁掛けトーチの火が妖艶に燃え揺れている。
空気循環どうなってるんだ。
と苦笑いで思いながらも、パチッパチッと火が弾く音を聞いて、衝撃が脳裏に走る。
「そういえば……トーチがあるんだったら炭がある。 これを使えば――」
道に印をつけられる。
壁に掛かってたトーチのなかにある。
炭これを取るために肩掛けバックに変えてた蛇の皮を分解して、元の状態に戻した。
どうにか火を消そうと、トーチを何度も叩いていると、火が弱まっていく姿が見える。
それをずっとしていれば、火は鎮火し殆ど炭だけが残る。
壁にかかったトーチから、炭を取り出そうとした瞬間――
「熱っ! いったぁ……えっまだ、血流れてる…」
右手を見れば、さっき石ころが刺さった手は未だに血が出続けている。
これ以上水を無駄にしたくなくて、唾で手を舐めながら、どうにか止血を試みる。
「止まらん……」
手のひらの血が全く止まらなくて、これはやばいっと左手で血が出る部分を塞ぐ。
(――ッ…。)
痛くて、ウルッと涙が出たがそれでも先を進む為に、お気に入りだったシャツを破る。
それを上手く口と左手を使いながら結ぶ。
安心するや否や、トーチを見ればいい感じに冷えた感じに見え、今度は左手で炭の塊に手を突っ込み2つ取る。
「冷えてる……よし、書けるか?」
取った炭を地面のレンガに一本線を引いてみれば、黒い線が書かれる。
「よし、 こっからは根性。ランダムだった場合……普通に出口を見つけるのは不可能。 なら――」
来た道に番号を書いて、自分が通った道なのか分かりやすくする。
それがどんな意味を持つか、分からない。
出血し続ける手。
おそらく、さっきの毒は血を固めにくくしてる。
シャツがもう血で赤くなってて、これ以上血を流せば貧血、最悪出血死。
(早く、こっから脱出しなければ)
分解した蛇の皮を元に戻し、なかに入れてた赤の実を何個か取って口に運ぶ。
プチッとした感触がした後にくる甘さ。
どうにか、それで水分を取りながら先を進めば、正面と右の分かれ道。
「どっちに行くか……」
右側を行くか? と思った瞬間右側に続くトーチの火は弱く、逆に正面の火は強い。
(なんだ……この違和感。)
空気の流れが右側は少ないような……そんな事有り得るのか?
じゃあ、正面なのか。
右側は空気が淀んでる可能性があると、キイシ正面に向かう。
暗闇の幕通った瞬間、すぐ横に扉があった。
「扉? 最初に戻った感じか……やっぱりランダムの可能性があるな……」
そう思いながら、扉に『2』――
と、文字を書き、左に曲がる道がありそっちに向かう。




