レンガ迷宮
15話
三階層を抜けて、残るは二階層。
(苦労してここまで来れたのに、まだ半分も――)
苦しかった呼吸も、今は嘘のように吸える。
まだ洞窟の毒が廻ってるのか螺旋階段を登ろうにも一歩も動けない。
足を動かすにしても、流石に休憩しなければ。
そう思うと、壁に腰掛けながらズリズリと座る。
(目眩が……汗もすごい。 流石に吸いすぎた……)
胸がムカムカして、前屈みになりどうにか収まる事を祈ると、
「ウッ……うぇッッ―」
うまく服を避けて地面に吐くと、胸のムカムカが収まった。
吐けば楽になるとはこの事なんだなと、失笑気味で笑ってしまう。
目眩はまだ収まらないけど、さっきより幾分マシだ。
一息して、重たい腰をあげる。
その時だった――
『毒耐性 【中】 を獲得 』
いきなり現れた画面と書かれた文章に、色んな意味で納得する。
(あんなに毒吸いまくってるんだ、耐性つかない方が可笑しい )
それにしても【中】て、いつの間に耐性つけてたのだろうか。
最初は【小】から始まる筈なのだが――
ふと、思い出した。
あの時、空腹で何も考えずに食べたあの実の事。
(あぁ……あの時、意識飛ぶ前になんか画面が開いたな。 その時か)
色々納得しながら、先に進もうと螺旋階段を登る。
△▼△▼
最後の1段を登れば、木材の扉があった。
躊躇する事も無い為、サッと扉を開ければ真っ直ぐと続く赤レンガの道。
壁には、壁掛けトーチが何個も並んでる。
「ここを真っ直ぐ行けばいいのかな……」
それでも、保険にあのゲーム画面を開いて地図を見ようと手を振る。
……開かない。
あれ、と何度も試すが全く開かず、何をしても反応がない。
手を強く振ったり、スローで動かしたり、色々試したけど変わらない。
(なんでいきなり動かなくなったんだっ?)
首を傾げるが、何も思いつかなくて早々に諦めようと首を振った。
(地図がないのは、些か不安だけど。 罠とか……そうゆうの警戒しながら歩くか……)
まだボヤボヤする頭をどうにか動かして、足元を注意しながら歩く。
レンガ、レンガと続く道を真っ直ぐ歩いてると、二つ曲がり角があった。
右と左を見ても、先が真っ暗になってる。
あの時の、三階層についた出口と同じで先が暗闇なのか不思議に思った。
「どちらにしろ地図がないからな。 間違えば戻ればいいし、 」
どちらにしようかな〜と指を左右に動かす。
柿の種、こっちにするか。
指した先は、右側の通路。
右通路を見て傷と空気の流れを感じて迷わずそっちの方向に向かう。
暗闇が続く事を予想してたが……。
予想に反してその暗闇は幕の様なもので、通ればすぐに新しい道が続いてた。
間違ってなかった事に安心したいが、ここがどんな風になってるのか。
そこを注意しながら、少し歩けば次は3つに別れた道があった。
流石に、この状況が続けば色々察してくる。
警戒はしていたが、さっきの毒の洞窟といい。
……嫌な予感が、背中を撫でる。




