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第7話 入国 王都ヴィストラント

ベネットさん達と別れた俺は、改めて王都を目指して歩き始めた。


貰った剣を試しに振ってみたが、やはり思ったようには振り回せない。

まぁ当然といえば当然か。俺は剣なんか振ったことはないしいきなり素人がどうこうできるようなゲームの世界でもないんだからな。


まぁナイフとフォークよりは頼れるだろ。


しばらく道を歩き続けているとようやく城の全貌が見えてきた。周りにはそれこそRPGとかでよく見る、ザ・街という風景が広がっていた。


城を中心に街が城壁で囲まれていて、レンガ調の建物、通りを行き交う人々、まさに異世界にありそうな光景だ。


ファンタジー映画をそのまま現実に持ってきたみたいなカンジだな。なんかちょっとワクワクしてきたぞ。


「ここまで来てなんだけど言葉が通じてよかったよホント」


街の入り口付近に差し掛かると、そこには立派な門があった。門の横には2人の兵士っぽい人も立っている。


おそらくは門番だろう。

とりあえず街に入るにはあの門を抜けるしかない訳だが……はてさてすんなり通してもらえるか。不安な気持ちを押し殺し、門へ向かって歩いていくと


「止まれ」


当然声を掛けられるよな。片方の兵士が俺の前に立ち塞がり


「通行証かギルドカードは?」


と質問してくる。


「……ギルドカード?」


「どちらも持っていないのか?」


「あ、いや、その……実は他国から来たばかりでして、身分を証明できるものを持っていないんです」


「他国から来たのか、にしては見たことのない服装をしているな」


「えっと……これは……」


「……まぁいい。身分の証明ができないのなら入国料が必要になる、銀貨2枚だ。それと身体検査も行う、いいな?」



入国料は銀貨2枚、意外と良心的だな。


俺は革袋の中から金貨を取り出し、兵士に手渡す。


金貨を受け取った兵士は、それを確認すると懐から差額分の銀貨8枚を俺に返し


「いいだろう、次は身体検査だ。こちらへ」


もう1人の兵士が奥にある建物を指差す。


身体検査ってどんなことをするんだろうか?荷物のチェックとかかな?


その後、俺は指示された部屋で簡単な身体検査を受ける。と言っても剣以外には怪しい所持品は無い。スマホや服は異国の物品と説明したら特に疑われることなく終わった。


通行許可が降りた俺は兵士に促されるままに街へと入国する。

門をくぐった先に広がっていたのは、それこそ海外ドラマで見るような、あるいは映画で見るようなファンタジー世界。


様々な人種の種族が行き交う賑やかな街並み。馬車が通る石畳、石造りの家屋や店、装飾の施された看板などが目立つ、まさに異世界の街だ。


「すげぇ……」


思わず感嘆の声が漏れてしまった。


ひとまず道なりに歩いていくと、前方に一際目立つ大きな建物が見えてきた。

周りの建物とは比べ物にならないほど大きく、中央には両開きの扉が一つ。


その近くには大きな看板があり何やら文字が書いてあるが……うん、読めない。ミミズが踊っているような字だ。

言葉は日本語で通じているのに文字は読めないのがちょっと厄介だな。


そういや街に入る時に『ギルドカード』って聞かれたな。やっぱり異世界だから魔物や魔王的な存在と戦う『冒険者ギルド』みたいな組織的な感じなんだろうか。


冒険RPGゲームやラノベ小説なんかを沢山履修してきた俺の世代ならこういうのは勿論憧れなんだけど、流石に冒険者になろうとは思わない。

俺には漫画やアニメのキャラクターみたいな特別な力なんてないし……いや【カラオケボックス】のスキルは貰いはしたけど戦いに使える力じゃないからな。


仮に魔物と戦おうもんならスライムにだって勝てる気はしない。さっきの兎相手ですらアレだし……まだめちゃくちゃ足痛いし……。


そう思いながら足元を見ると


───血が服から染み出していた。


それも地面に滴り落ちるレベルで。


……うん、まずは医者だな。

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