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第5話 料金と備品

あの後、俺は止血した状態でどうするべきかを考えていた。あんな目にあったならそりゃもう動きたくないし、何もせずここにいたい気持ちでいっぱいだった。

幸い飯には困らないし、個室内は清潔で快適だし何の不便もない。【カラオケボックス】は引きこもりに徹するには申し分のない場所だ。


しかしそう悠長に過ごしてる訳にもいかないのが現実。


くどいようだが金は有限、当然尽きればここには居られなくなる。そうなる前に対策を考えないといけないのはわかっちゃいるが……


「あんな凶暴な動物がいる道をどうやって進むんだよ……」


怪我もそうだが、精神的にも結構きてる。

わけのわからない状況に陥って早々こんな目に遭えば誰だってブルーになる。


「ひとまずは怪我の具合によるけど、もっと情報を集めるしかねえよな」


どのみちいずれ動かないといけないのは明白。

カラオケスキルは金さえあればいつでも使える。あとはそれをどう活用するか……。


「せめて武器くらいあったら少しは安心できるんだけどなぁ……」


そんなことを考えながら少しの間ぼーっとしていた時、ふとスキルについて1つの疑問が頭に浮かんだ。


「そういえば……もう数回は部屋から出ているけどコレ料金はどうなってんだ?」


今更だけどそんなこと気にできる状況じゃなかったからな。確かスキルの説明だと『料金は退室時にお支払い頂きます』だったか?でも払った覚えはないぞ。


「……!!まさか……!!」


妙に嫌な確信があった俺はすぐさま財布の中身を確認する。

すると


「……冗談だろ?」


俺の財布から金が消えていた。正確には約5000円近い金額が消失していた。


「まじかよ……!」


料金の基準は分からないが、少なくとも2回は外に出ていた。スキルの説明が正しければ出る度に料金精算ってことになる。


つまり……


「たしかに注文なんかもしたけどさ、たった2回の利用で5000円か、随分な料金設定じゃんかよ」


注文が1000円として、1度の短時間の利用で2000円取られている計算だ。しかも財布から勝手に。

確認を怠った俺も悪いけど料金表とかないのかよ……ぼったくりもいいとこだろ。

……これはもっと徹底的に調べたほうが良さそうだ。





─────────




その後、先程は部屋の中を調べることに注視していたので今度はタブレットやデンモクをメインに調べた。結果……


「なるほどな……」


料金について

・基本料金……1時間 ¥1000

*価格変動あり*


ちゃんと記載はあった。他にも……


飲み放題プラン

・ドリンク,スープ……1時間¥1000

・アルコール類……1時間¥2000


備品の注文

・食器……¥0

・箸,スプーン,フォーク……¥0

・お手拭き……¥0

・おしぼり……¥0


その他消耗品

・グラス……¥0

・アイスペール……¥0

・アイスピック……¥0

・割り箸……¥20

・紙ナプキン……¥15


その後etc……etc……

なんとも庶民的料金設定だ。


しかし基本料金、価格変動あり?これってどういうことだ?

時間単位の基本料金は固定で、他に料金が上下する要素があるってことか?


注文したものとかドリンクバーでの飲食物代も含めた金額ってことなら理解できる。


現実世界に置き換えて考えるなら、休日料金とか延長料金って風に考えられるけど……まぁそこはその時考えればいいか。


ひとまず料金システムについては理解した。理解はしたが、1時間1000円となるともうほとんどスキルの使用はできない。

手持ちは……残り3万円と少し。1日ちょいいたら尽きる計算だ。


「……はぁ」


深いため息が漏れる。

まだ足の痛みは引かないが、外に出るならいざって時の為に準備を整える必要がある。

さっきみたいな兎もどきのバケモンが襲ってきたら今度こそ詰みだ。


せめて武器でもあれば……そうか!確か備品に……。


「ステーキナイフとフォークか」


武器になりそうなナイフとフォークをそれぞれ10本ほど注文する。備品扱いなので0円だ。


注文した瞬間───

テーブルの上に銀製のステーキナイフとフォークがペーパーナプキンに包まれた状態で出現した。


「相変わらず便利なことで」


食事用のナイフだけど丸腰よりはいい。これで少しはマシになった……と思いたい。

それぞれ鞄に半分入れ、残りはナプキンに包んだままポケットへ。


これでよし、足は痛むがそろそろ1時間だ。

金策ができるまではもう無駄な滞在はできない、リスクはあるが部屋を出ないと。なんとかして食い繋ぐ方法を見つけるしかない。


「次ここに帰ってきた時には、何かしらの収穫があればいいけどな」


自己暗示のように言い聞かせ、覚悟を決めて再びドアの向こうへ踏み出した。


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