表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/8

8.ある休日

葉一の働くBAR柳は【完全紹介制】

基本的にオーナーの柳会長からの紹介が無ければ、店内に立ち入る事すらできない。

外に漏れる心配がない機密性の高いBARでどのような話が繰り広げられるのか

「会長あれなんですかね?」


休日に会長に誘われてスーパー銭湯に来た2人。

そこには[よもぎ蒸し始めました]の看板。


「よもぎ蒸しって言うくらいだからかしわもちみたいなもんか?風呂入りながら食うのか?」


「でも[よもぎ蒸しこちら]って書いてますよ。」


「ふむ。行ってみるか。」


そっと部屋を覗くと木製で各節90度で組み上げられたまさにイスといったものが2つ置いてあった。


「食いもんじゃないようだが…。まぁいつまでも見ていても仕方ない。とりあえずやってみよう。」

スタッフを呼ぶとおばちゃんズがやってきた。

どうやら下腹部の血行を促進するものだそうだ。


裸にさせられ椅子に腰掛けると座面に半径30cmほどの穴が空いている。中はよく見えない。

腰を伸ばし直角に座る会長も何やらつけられ、2人は美容院のようにテルテル坊主状態にされていた。


顔を見合わせ何が起こるか理解できない2人に激震が走る。

なんと開いた両足の間、座面の丸い穴から蒸気のような温風が吹き出しできたのだ。


「わわっ!」と驚く葉一に対して「確かに腰回りって日頃動かさないから血行促進にはいいな。」とのんびり構える会長。


これで30分温めるそうだ。

言われてみれば首は外に出てるわけだし、のぼせないのを目的にしているのか。

ほんのりと香るよもぎの匂いが心地いい。


意外にいいじゃないかと言う会長。

だが10分もしないうちにモゾモゾとし出した。


疑問に思う葉一。

その時温められて伸びてきた葉一の陰嚢が穴に落ちた。直撃する蒸気。


「!!!!!」


男性の身体で表に出ている内臓、すなわち陰嚢。

ここではあえてGBと呼ぼう。

これは精子を適温で保存するために寒い時は収縮して熱発散を防ぐ、逆に暑い時は全体を伸ばし放熱して冷却するのだ。


そのGBに直撃する蒸気を避けるため、下がろうとするが直角の背もたれがそうとはさせない。

左右にズレようとしても同心円的に避難する形になるので穴とGBとの距離は変わらない。


なるほど会長の動きはこれであったか。

左右にスライドして熱から逃げようと蠢く2人の動きは名付けるなら地獄の円舞ロンドと言うべきか。


炙られ続ける2人のGB。


あとは守るしかない。ただGBをつかむ形で守ればそれは即ち手の甲側が熱にさらされる。薄皮1枚では1分も耐えれない。手の甲でGBを穴から遠ざけ手の平で温風を防御するしかない。


だがそれも一時しのぎ。左右の手を交互に入れ替え熱攻撃からGBを守る2人。


先に音をあげたのは会長だった。

「こりゃ無理だ。○玉が焦げる!」


見えないが葉一の手の平もトムとジェリーのトムのように赤く腫れ上がっているに違いない。


「僕も無理です。」


それから2人は何度もスタッフを呼んだが一向に来る気配もない。

「「おばちゃーん。」」

その間もGBは炙られ続ける。2人の声がGBに蓄積する熱に比例して大きくなっていったのは当然の事だろう。


そして2つのテルテル坊主が蠢きながらスタッフを呼ぶ姿は、まるで親鳥にエサをねだるひな鳥のようであった。


さらに10分間ローストされた2人が慌てて、冷水風呂に飛び込んだ時には、彼らのGBはよもぎ香る柏餅のようになっていたのであった。


「って事がありましてね。」

げんなりした葉一から話を聞いた椿はいつもの席から転げ落ちそうな勢いで無遠慮に笑い転げていた。


「それで会長と同じ変な歩き方してたのね。あー面白い。」


「まだあの拷問から24時間たってませんからね。」


「だいたいね」と椿が座り直す。

「女性用だからねあれ。下腹部を温めて月経不順や血行不良を治すやつだから。」


「え?そーなんですか?」


「裸にされて椅子に座らされてるのに、スタッフが女性の段階で怪しみなさいよ。」


「おばちゃんだったんで。」


「失礼なやつなのは置いといて、まぁ更衣室の外の別部屋だったら仕方ないか。始めたばかりでみんなよく分かってなかったんでしょうね。」


けど…と椿がニヤリと笑う。

「あれがそんなに伸びるとは知らなかったわ。そしたら風呂上がりとかにちゃぽんって氷水につけたら縮むの?」


「縮みますね。そりゃ。」

「やばーい。見たーい。お湯と氷水交互につけたらどれくらいのスピードで伸縮するんだろ?やっぱり冷たければ冷たいほど、縮むスピード早いのかしら。」


椿の好奇心は迷惑レベルまで膨らんでいた。


「葉一君?」


「絶対イヤです。」


「まだ何も言ってないけど?」


「そのまま言わないでください。」


実験動物の断固たる拒否に女性用風俗にでも行けば見れるのかしら?ととんでもないことを考えるマッドサイエンティストであった。

椿(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ 見たい見たーい!!

会長( ´Д`)y━・~ そんなに見たいなら彼氏にでも見せてもらえ。

椿( ꒪⌓꒪) いませんし、そんなコメントセクハラですし。

会長( *`ω´) テメェのセリフの方がよっぽどセクハラだっての。

椿Σ੧(❛□❛✿) 学術的探究心に基づくものですわ。

会長( ̄▽ ̄;) 全力かよ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ