六話 sideアリネス 私だけの勇者様
私はアリネス ローデリア 侯爵家の令嬢ですわ。これでもlevel17と同い年の中では天才の部類に入る者ですわ。それに魔法も二つ使えて、第二魔法まで使えますの。これでも100年の逸材と言える存在ですわ。
ある日、聖騎士団長を倒した歳が近い男の子が現れたと聞いて公爵領へ向かう途中ゴブリンに襲われた。現在level17の私には倒せないと思った。
確かに草原に現れるゴブリンはlevel10だ。
しかし、この森のゴブリンはlevel20とlevelがイカれている。
逃げている途中、一人の少年とぶつかった。
少し動揺していたのもあり、自分の本名を言ってしまった。
言うんじゃ無かったと思っている。でも、男の子は上だった。公爵家の子だったなんて、、、無礼を働いたな、、、と思いながらも森の奥に行った少年が気になった。
(なんで森の奥へ?確かあっちには、、、何にも無かった気がするけど、、、)
そう思って、少し着いて行ってみようと思った、、、そしたら、、、
(え?なんでこんなところにダンジョンがあるの?知らない、、、こんなダンジョン、、、)
そう思っていると少年は迷うことなくダンジョンへと入っていった。
(え。危なくない?未到の地のようなダンジョンに行くなんて、、、)
尚、この時、まだ冒険者達はこのダンジョンの存在を知らない。
そして、そっちに警戒しすぎて周りの警戒を怠っていた。
(ま、まぁ、ここまで来たらダンジョンに行かないなんて選択肢あるわけないよね!)
そう思ってダンジョンに入っていく。
side賊
「あ,兄貴子供2人いやっせ。どっちなんすか」
「言っただろ。男の子の方だ。公爵家のガキだからな、売れば高いし、公爵様の後ろ盾も手に入れられる。それに売るのはかの伯爵家の家だ。」
「やっぱ兄貴の商才はえげつないっすね!」
「あたりめーだ。俺は『荒天賊 頭アザリア』だぞ?今回もチョチョイのチョイよ!」
「流石っす!、、、じゃあ女の子の方はどうしますか?結構美形っすけど」
「、、、売るか。同じ場所によって売れば伯爵も喜びになるだろう。」
「了解っす」
「じゃあ、全員、突入じゃ!」
そう言って、ダンジョンへと入った、、、あんなことになるとは思わず、、、
sideアリネス
(レッドボア、、、一体でも厄介で、level25、、、なのだけど、、、ここだと40⁈どう見たって勝てないじゃない!)
そのはずなのに全く表情を変えず、レッドボアを倒した少年ーウルを見ていた。
(バレる前に帰らないと、、、!)
そう思って後ろを向く、、、すると
「やぁ、嬢ちゃん、ちょいと捕まってくれないか?」
「ちょっ、ちょっと、こっち来ないでよ!」
「へ、そんなこと言うなよ嬢ちゃん、嬢ちゃんを売れば高くつきそうだしなぁ、、、『本来なら公爵家のガキ』なんだが、、、どこにもいなぇからよ、、、先にお前売ることにしたんだわ。」
そう言って手を掴まれた時ーーーー
「なぁ、そこの賊共。狙いはどうせ俺のことだろ?公爵家のガキなんだからよ。」
「あぁ?ガキの冒険者がなにほざいてやがる、お前父親に無断でここに来たってのか?なら頭いかれてるなぁ!!ここは龍花ダンジョンって言うーーーー」
「SS級ダンジョン、、、世界で二番目に危険なダンジョン、、、だろ?」
二人の話し合いで私は驚いた。
(え?SS級ダンジョン?確か世界一の危険なダンジョンが業火威ダンジョン、、、SSS級ダンジョンで全員が立ち入り禁止にされているダンジョンじゃない!なら、その次?どれだけ危険なのよ!)
そう思っていた。その間にも話は続いており。
「おうおう,ガキが知ってるならなんで来た?」
「え?世界最強。それが僕の目指す最高到達点。誰が邪魔しようとそれを変える気は一切ない。たとえそれが魔王でも、消し炭にする。」
「へッ、頭いかれたガキかよ!お前ら!やっちまえ!」
その声と同時に100人ほどの賊が彼を囲った。
「、、、100人とレッドボア20体、、、うん,雑魚は何人集まっても雑魚なんだから、皆殺しでいいね!ーーーさて、死ぬ準備はいいかい?ゴミ共」
私は見ていられなかった。これからの彼のことと自分のことを考えると目を瞑るしかできなかった、、、だが、、、次の瞬間私は度肝を抜かれた。
「特級魔法 雷魔法 雷滅 闇魔法 崩壊
『特級合成魔法』ーーーーー死」
刹那、周りの盗賊100名、レッドボア20体が一瞬にして消え去る。私は思った、、、彼が本物勇者であり、最強であると。
「は?おいおい、どんだけ化け物なんだよ。聖騎士団長も負けたとは言ってたが、なんで特級魔法を合成、それに二つも使えるんだよ!化け物かよ!」
「ごめんね、僕、世界最強になりたいから、どんな敵でも、慈悲はやらないんだ。もちろん,父上にも死んで償ってもらうよ。僕を狙って、しまいにはアリネス令嬢も巻き込んだ、、、消えてもらうしかないのさ。」
「ひ、ひぃ⁈まっ待ってくれ!?ぜ、全部公爵が悪いんだ!しけた金しか払わねぇから!」
「知らないよ。僕は僕の気持ちを最優先とする。もちろん,魔王でも、勇者でも、神でも、全部敵対するならーーーーー皆殺しだよ。」
それから私の記憶はない。疲れもあって寝てしまった。
でも次の日起きると私は部屋のベッドに居た。父様も心配していたが、誰が私を連れてきたか教えてもらうと仮面を被った青年といった。
多分魔法で姿を偽装したのだろう。何故記憶を消さなかったのかと思ったが、疲れていたのだろう。
まぁ,私的には誰が救ってくれたのか、何をしてくれたのか覚えられていれるからいいのだけど、、、
多分彼も学園へ来るだろう。根拠はないけど、なんとなくそう思った。あれだけ魔法も使えれば来ると思ったから。
それまでに、彼に相応しい相棒になれるようにレベルを上げようと思う。
「とりあえず、、、明日から剣術を頑張ろうかな」
そうして彼女も意識を深い闇に沈めていく。