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プロローグ

高橋直樹は、いつものように早朝の高校へ向かうバスに揺られていた。窓の外には、朝日が差し込む静かな街並みが広がっている。教師としての忙しい日々に慣れてはいたが、その心には常に満たされない何かが存在していた。生徒たちの未来を担う責任と、学校という小さな世界に閉じ込められている感覚が、彼の胸に重くのしかかっていた。


バスを降りて学校へ向かう道すがら、彼はふと足を止めた。いつもは見慣れた風景に、何かが違うことに気づいたのだ。目の前に見慣れない小さな古書店が現れていた。まるでそこだけ時間が止まったかのような、不思議な雰囲気を放っている。


「ここにこんな店あったかな…」


疑問を抱きつつも、直樹はその古書店に引き寄せられるように足を踏み入れた。店内は薄暗く、無数の本が所狭しと並んでいる。その静寂の中、唯一の店員と思しき老人がカウンターの奥で静かに本を読んでいた。


「いらっしゃい、若いの。」


老人は顔を上げずに言った。その声にはどこか懐かしさを感じさせる響きがあった。


「ここには何か特別な本があるんですか?」


直樹は半ば冗談交じりに尋ねた。老人はゆっくりと顔を上げ、その目には知識の深淵を垣間見せるような光が宿っていた。


「探し物があるなら、ここで見つかるかもしれないよ。」


直樹はその言葉に導かれるように店内を歩き回った。すると、一冊の古びた大きな本が彼の目に留まった。装丁は古びており、タイトルすら読み取れないが、不思議な魅力を放っていた。


「これだ。」


無意識のうちに、直樹はその本を手に取った。その瞬間、周囲の空気が変わり、次の瞬間には彼の視界が暗転した。


目を覚ますと、直樹は見知らぬ場所に立っていた。そこは巨大な図書館のようで、無数の本棚が果てしなく続いている。高い天井には、美しいステンドグラスが光を取り込み、幻想的な雰囲気を醸し出していた。


「ここは…どこだ?」


戸惑う直樹の前に、一本の古い杖を持った女性が現れた。彼女は柔らかな微笑みを浮かべ、まるで彼を待っていたかのように言った。


「ようこそ、異世界の図書館へ。あなたが新しい司書です。」


こうして、直樹の新たな冒険が始まった。異世界の図書館で、彼は知識を武器に、様々な世界の問題を解決しながら、自分自身の成長と内面の再構築を図ることになる。果たして、彼がこの異世界で見つけるものは何か。そして、異世界図書館の隠された秘密とは。


次回から、直樹が異世界の図書館で経験する数々の冒険と、その知識を駆使した問題解決の物語が幕を開ける。彼の旅の始まりは、まだほんの序章に過ぎない。

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