009 入院
翌日、家族を送り出してからバスと電車で病院へと向かった。いつもは、車で行っていたのだけど今回は入院するので公共の交通機関を使う。車だと、道が混んでいなければ二十分の距離だったのだけど、バスと電車でも三十分くらいで着いたので思ってたよりも近かった。
今回は、バスと電車だし荷物はなるべく少なくしようと決めてノートパソコンは置いて行くことにした。入院の注意事項を聞かされた時に、ノートパソコンは病室では使えず使用するならばエレベーターホールのみと言われたことも大きい。
でもきっと暇な時間はたっぷりあると思ったので、今まで買ったけど読まずにいた本でも読もうと二冊だけ持って行くことに。病院内の着替えも、パジャマなどは有料でレンタルができると知ったのでそれを使う。
だから持って行ったのは、主にシャンプー、リンス、基礎化粧品、ティッシュ、充電器など日用品が主だった。
では行くかと、玄関を出ようとスマホをチェックしたらなんと仕事のメールが来ている。スマホでは見られない書式で送られてきていたので、急いで部屋に戻ってパソコンからDLしてドライブに移す。
いつくるかわからなかったから、ギリギリ間に合って良かったとホッとする私。これで当分メールは来ないはずだし、あとはゆっくり病院についてからスマホで見ればいいやと急いで家を出た。
病院に到着すると、その日は平日だったのだけど病院の創立記念日だったらしく外来はお休み。警備室に向かい、部屋番号を教えてもらって自分の入院する病室へと向かった。
案内されたのは、4階の病室。ナースセンターで受付を済ませると、担当の看護師さんが出てきてくれて病室に案内された。今回、選んだのは6人部屋の大部屋。
本当は個室が良かったのだけど、今は個室は使っていないと言われてしまったのだ。多分、コロナ患者や感染症患者に使っているのかもなーと解釈する。
なので、選択肢は二人部屋か大部屋。二人部屋の方が気を遣いそうだったので、大部屋にした。
六人部屋だったのだけど、私が入院した初日は自分も入れて四人の患者さんが入っていた。カーテンが常に引かれていて、どんな人がいるのかは全くわからないのだけど……。
なんせ仕切られているのがカーテンなので、看護師さんとの会話は全部聞こえてきます。
初日に担当になってくれた看護師さんは、若い女性の看護師さん。とっても優しくて何でも話して大丈夫だと思わせてくれる、笑顔が素敵な女性でした。
簡単に入院日と次の日の予定を説明されて、レンタルで借りたパジャマを置くと仕事に戻って行った。
私は、持ってきた荷物をロッカーの中に入れてパジャマに着替えていざベッドに座る。私のベッドは、部屋の一番端で窓側だったので外が見える位置だった。
真ん中じゃなくて良かったなーと思いながら、無事に入院できたことにホッとした。
ここ数日、色々なトラブルに見舞われていて疲弊しきっていたの。入院する一週間前に、突然洗面台の蛇口が故障して水が漏れてきて大変だったし。入院二日前には、コンタクトを洗面台に流してしまうし散々だった。
ちなみに、洗面台の排水口はあみあみになっているから普通ならコンタクトは流れていかないはずなのに……今回はなんでか流れてしまった。いまだに何で流れたのかわからない……。
ただでさえ入院と手術で今月は出費がかさむのに……お財布にはかなりの大打撃だった……。
それに先生からは、くれぐれもインフルエンザとコロナにならないように気を付けてって言われてて。できるだけ私の外出は控えていたけれど、家族がなってしまう可能性だってあったので毎日戦々恐々としていた。
はー良かったと、窓の外の青い空を見上げながらぼんやり暫く過ごす。
病院に入ったのは、お昼前の時間だったのでわりとすぐに昼食の時間になる。お昼ご飯から病院食だったのだけど、窓の外を見ながらボケーっとしていたら調理担当の方たちなのか、患者さん一人ずつお盆にのせたご飯を配膳してくれた。
その際に、必ず名前を尋ねられて自分で名前を言うシステム。間違えのないようにそこは徹底されていた。
人が作ったご飯は美味しいなーと、普通に完食。戻すのは自分でやるのかなと、病室を出て廊下をチェックする。
すると廊下に食べ終わったお盆を戻す配膳台が置かれていたので、同じように私もお盆をその場所に戻した。
後はまた、夜まで暇だなーとまたぼんやり。この数カ月、この入院のために色々気を付けていたから心身ともに疲れていたのだと思う。
それでも流石に、何時間もボケーっとはできなかった私はさっき来た仕事のメールを開いて中をチェック。
十八時の夜ごはんまでは、メールの中身をひたすら確認しつつ、飽きたら病棟をちょっと探検したり、テレビと冷蔵庫を使うのにカードが必要だったからそれを買いに行ったりと時間をつぶしていた。
夜ごはん前の、17時に日勤と夜勤の看護師さんが入れ替わるらしく笑顔が素敵な看護師さんとは早くもお別れ。
看護師さんも、担当が変わるたびに自己紹介から始まって挨拶をして回るのがこの病院の決まりになっていた。しかも担当の看護師さんが毎日変わるので、色々な人がいてそれもまた面白かった。
その日の夜ごはんは、病院の創立記念日に合わせてお祝い食だったらしくとても豪華な病院食で美味しかった。
その夜ごはんを境に、当分ご飯が食べられなくなるのだけど……。覚悟はしていたつもりだったけれど、思っていた以上に辛い毎日が待っていたのである。
次回、手術に続く
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