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006 検査結果②

 その後、別室にて女性の看護師さんから手術の詳しい説明を聞いた。全身麻酔でやるとのことで、色々な承諾書を書く。輸血することになった場合とか、尿道留置カテーテルを入れることになった場合とか、あと手術する場所の確認とか。

 麻酔は、手術が終わる二時間に設定していて手術台で目覚めてから病室に戻るようになるみたい。


 そして、ちょっとびっくりだったんだけど私が行った大学病院はまだ面会も手術の立会もできないと言われ、そうなのか……と寂しさを感じる私。

 正確には、手術の立会は待合室で家族が待っている分にはいいんだけど手術終わりに顔を合わせるのはNG。

 なので、立会する人も今は少ないんですよと言われる。まーでも、家族の負担は少ないのかもなと思ったりもする。


 最後に看護師さんから質問ありますか? と聞かれるも特に思いつかない。手術なんて初めてだし、何を聞けばいいのかわかならかった。

 何か聞きたいことができたら、電話で問い合わせてもらっても大丈夫ですからと親切に言ってくれた。

 接する先生も看護師さんもみんな物腰柔らかく親切で、ここの病院にして良かったとこの頃には感じていた。


 そして、耳鼻咽喉科での用が終わった私は消化器内科へと向かいます。耳鼻咽喉科と検査場所には詳しくなった私だけど、消化器内科がどこにあるかわからない……。

 施設案内の看板を見て、確認しながら目的地に向かう。どうやら、大きく内科として一つの受付はまとまっていて、そこで〇〇内科に振り分けられる。

 受付に診察番号の紙を出して、診察室を提示してもう。消化器内科だけでも診察室が12個とかあるのよ……。なん部屋あるのーってびっくりしちゃったよね。


 待合所で待機する私は、とにかくまずネットで検索。耳鼻咽喉科の先生は、肝臓に嚢胞って言っていた。嚢胞って一体まず何なのよ? 


 ――――嚢胞とは、体内にできる袋状の病変(病気によって起こる体の変化)。その中には、液状の内容物が入っていてほとんどの嚢胞はその内側が上皮によって覆われている。


 袋状の病変……。一難去ってまた一難ってこれのことだなと頭を抱える私。はあーって大きく溜息をついたところに、ティコンってディスプレイに表示される番号。

 あっ、私だと診察室に入ります。


「失礼します」

「はい、こんにちは医師の〇〇です。どうぞー」


 消化器内科の先生は、今までの先生よりも若い感じの眼鏡をかけた生真面目そうな男性でした。


「検査でたまたま肝臓に何か映ってたってことか……。MRI検査の画像見ましたか?」

「いいえ。見てません」

「わかりました。では、とりあえず見てみましょう」


 先生は、目の前に置かれたパソコンの画面に検査画像を映し出す。マウスをドラックさせると、輪切りにされた検査画像がどんどん動いていく。

 先生は、真剣な表情でパソコンを見ている。私も初めて目にするMRI検査の画像を、隣で見ていた。


 ある場所で、画像を止める先生。


「あーこれだね」


 止めた場所には、確かに丸く空洞みたいに映っている場所がある。しかも、それが二個ぐらいあるみたいだった。


「ん-。これかー」


 先生は、何度もマウスをドラックさせて画像を行きつ戻りつさせる。私は、何が何だかわからないので大人しく先生の意見を待つ。

 頭の中は、悪いものだったらどうしようってそればっかりだし、胸は変なドキドキで動機が激しい。


「んー今の段階じゃなんとも言えないです。エコー検査とMRI検査、それと血液検査をしてみてですね。MRI検査は、造影剤を入れて検査します。予約取りますけど、いいですか?」


 私、表情には出さなかったけど「またかよー」って心の中で叫んだよね……。


「……ハイ、オネガイシマス……」

「あっ、耳鼻科の方で手術の予定があるんですね……。そしたらその前に検査結果まで出てた方がいいですよね……。ちょっと待って下さいねー」


 先生は、エコー検査とMRI検査が同日でとれるように日程調整してくれる。血液検査は、耳鼻咽喉科で言われた通りこのあと行って下さいと指示されました。


「では、今日はここまでになります。次は検査結果が出たらですね」

「あっ、あの。今の段階では、これが何だとかはわからないってことですよね?」

「そうですね。癌なのかそれ以外なのか、これだけじゃわかりません」

「わかりました……。ありがとうございました」


 きっぱり「わからない」って言う先生。そっか、わからないんだって複雑な心境の私。腑に落ちない気持ちを引っ張りながらも、消化器内科の診察室を後にしました。

 その後は、またしてもトボトボと肩を落として血液検査室に向かう。なんだこのデジャブはと思いながらトホホな私。


 でも、血液検査自体はそんなに心配してなかったの。だって、この前取ってもらった時も、スピーディーでそんなにダメージ少なかったし。

 だけどね、そんなに甘くなかった二度目の採血……。


 採血室に入って、担当の看護師さんから言われたショッキングな言葉。


「では、今日は耳鼻咽喉科と消化器内科の分で7本とりますね」


 は?


 看護師さんめっちゃ素敵な笑顔だった。だけど私はきっと、それはそれは驚いた顔をしていたと思う。7本? まじで? 二つの科で検査内容違うの? 意味わからないし……。


 動揺している私をよそに、看護師さんはテキパキと採血の準備をしていた。前回同様、極細の針でチューブ伝いに抜いて行く。一本、二本、と順番に抜く。三本が終わる頃には、もう脱力している私。

 なんだろうね、あの何とも言えない感覚。輸血とかに協力している人って本当に偉い。私、きっと気持ち悪くなっちゃうと思う。


「本数多いけど、量はそんなに多くないから頑張って下さーい」


 死にそうになっている私を見かねて、看護師さんが応援してくれる。でもさ、量は少ないって言っても7本だよ? 絶対に普通よりも多いよね? って私は心の中で、ちょっと毒ついてました。


 それでも7本に耐え抜いた私。その日も、色々なことで精神ゴリゴリ削られて病院から帰宅。そして、朝から行ったのに今日もまた帰って来たのは午後もいいじかん。


 何で毎度毎度、病院で一日が終わるんだよーって泣きたくなった。


 次回、こんなに早く二度目のMRI検査をするなんて……です。


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― 新着の感想 ―
[一言] 基本的にMRI検査は癌の疑いがあるから正確な画像データが欲しいから検査しますね、患者の立場からしたら毎回苦痛ですけどね。
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