我楽多は鋼を嗤う。
始めましてナノマシンです、なんか夢で見たのを上手い具合に纏めていったらロボット関連の設定がなんか色々できてしまって書きたくなったので書いてみました、短編初めてだし深夜からぶっ通して書いてそのまま投稿してるので変なところとか多いかもしれません。
「全機発進急げ!!」
焦りを隠さずにまだ若い俺らのリーダーである陽介が大きく叫ぶ、かくいう俺も突然の襲撃に焦りながらさっさと自分専用の汎用人型兵器のパチモンに乗る、いやまあレジスタンスの身で軍の主力兵器である乙型のコピーを作れたのはすごいもんだと思う、例えそれが劣化した上に満足に整備もできていないようなもんだとしてもだ。
俺たちは突然発生したクーデターに反抗している、支援者はいるが内紛状態なのだから満足な支援は望めない、むしろこうして大きな拠点と主力兵器を十何機も揃えれてるんだから大したもんどころかめちゃくちゃ恵まれてるとは思う、その分たくさんの戦場に行って死にそうな羽目になるのは勘弁願いたいが。
「楽多! もういけるな!?」
おっと陽介に呼ばれた
「おう! いつでも問題ない、バッテリーもギアもうるさいくらいだ!」
いやギアはともかくバッテリーパックから異音がするのはどうなんだよ、多分接合部辺りの噛み合わせが悪いんだろうが爆発しねえだろうな?
「よし! 楽多聞け、剣帝が現れたらしいお前しか相手できるのはいないルートはナビする倒さなくていいこの基地を放棄して撤退するまでの間時間を稼いでくれればいいんだ、お願いできるか?」
いやそれは俺に……、いやまあ別にこの際構わねえか、構わねえことはねえけどやだやだって駄々こねれる年齢でも立場でもねえしな。
「わかった、佑依の事は頼んだぞ」
政府軍が『劣型』とか呼ぶ政府軍の『第四世代乙型汎用人型兵器』をコピーした『叛型・剣帝』に乗り込むと陽介が『叛型・剣帝』の脚部を拳で叩いて俺の言葉に答えてくれた。
「俺らの命は今の二ホンの為に民草の命は未来の二ホンの為にだ、楽多」
「おう」
俺が聞きたいのはそっちじゃねえけどまあこいつならそう悪いことにはしねえだろ。
『汎用人型兵器』これが開発されたのはもう50年は前だったろう、でも最初の20年間くらいは正直使いにくいったらなかったらしい、ていうか産廃だった、RPG-7なり戦車砲で撃ち抜かれるだけで四散する脆い、遅い、高い、すぐ壊れる、そんな兵器が優秀なわけねえ、でもそれが変わったのが30年前だ、『アーク』とか呼ばれる意味わからん新型のエネルギーとそれを利用した電磁装甲、これによって脆さはなくなり遅さはジェットやブースター、故障率は長年運用した結果蓄積されたノウハウで解決され高さだけはうなぎのぼりだったがなんとか実用レベルにまで引き上げられたそれは『第三世代』と名付けられた。
そして時は流れて現代、それは『第五世代』となるまで洗練、開発され今や地上戦における必須の兵科にまで成長した、二ホンで使われている『汎用人型兵器』は『第五世代乙型』だ、汎用性と高い対応力が目玉でこれにより日本は先進国として軍事的にも世界の先進を行く国となることができていた、恐らくその時までは軍部も満足していたのだろう、問題は何年前だったか、多分三年とかそこらだろうに起こった、先進国が集まるS7会議で大々的に軍縮が取り付けられた、その理由は先進国ばかりが異常に軍事力を競うように伸ばしている現状を抑止するためだ、別に後進国相手に軍事力で差が付くのは構わない、だが異常に高くなった軍事力を盾にしてS7の何れかが後進国を傀儡にしたり侵略したりもしくはS7のどれかの国に戦争を仕掛けられたら困るのだ、もしそうなれば核の冬まで秒読みとなってもおかしくない、まあということで今の軍事バランスを維持したまま軍縮にサインが集まったのだ。
だがそれに不服を唱える勢力がいた、それが二ホンの皇国軍だった、しかもその規模は尋常では無かった、なんせ元帥が反乱の旗を振っているのだから仕方のないところだろうちなみにこの国の体制は天皇を頂点に総理と元帥がツートップだ、天皇はこの緊急時に何をしているかというと特に何もしていない、国が割れるほど争うのであれば戦で決着をつけるのもいいだろうと中々に面白いお言葉を民に下さったのだ。
まあということで俺はクーデターを成功させてしまった現政府軍に反抗する反政府軍に加わっているのだ、まあ俺は別にそんなことはどうでもいいんだが、いや気持ちの上では当然反政府軍に勝ってもらって今まで通りに国を運営してほしいけどな。
『状態確認正常を確認、『叛型・剣帝』行けるぞ』
『こちら雨宮、楽多聞こえる?』
『こちら楽多、聞こえてるぞ雨宮』
『よしオッケーよ、今回の任務では私が専属でナビするからいつでも声かけて、私の符号は雨楽天だから覚えといて』
『俺は?』
『いつも通りだけど?』
『へいへい、我楽多、進発する、進路は?』
『マップに送ってるわ、一時の方向に真っすぐよ、もう盾将が1やられてるわ、『叛型は3機大破、2機中破ね』
『残りは?』
『あなた含めて8機よ歩兵部隊が随所で足止めしてるけどそんなレベルじゃどうにもならない……進路が確保できたわ、電磁式発進台で打ち出すから一気に行きなさい』
『おう』
『充填完了、進路の安全を確保、三、ニ、一、進発!!』
反る様に作られた磁力の力で『汎用人型兵器』を打ち出す発進台にかなりのGを感じながらも打ち出された俺は脚部と背部に備えられたジェットブースターで態勢を整えつつ更に加速しながらその上重力でさらに加速していく、すごい勢いで去っていく景色と更新されていくミニマップ、そして俺は地面に近づくと腰部に取り付けられた熱エネルギーで装甲を両断する事を目的に作られた剣を居合の要領で思い切り斬り払った、間違いなく最高の一撃、乙型の帥級であっても致命傷を与えられるほどの威力がこもっていたと確信できた、だってのによ……やっぱこいつは化けもんだ。
無線機にオープン回線で通信が送られてくる、俺の渾身の一刀を大剣の一つで防ぎ更には俺の剣をぽきりとぶっ壊した張本人からだ。
『凄まじいな、やはりこちらにはこんか?』
老人というには若く若いというには年老いた声で勧誘してくるこいつは俺の知り合いだ。
『何度も言ってんだろ、俺はこの二ホンに骨を埋めるつもりだってな』
『二ホンは軍の国だ、力の民の国なのだ、それを否定するような事は例え総理や外交の問題だったとしても許容できるものではない。』
『そんなん知ってるつうの、だからわかってくれなんか言ってねえだろ、やるぞ少将殿』
俺は右の腰から本物の愛刀である『電離刀』を引き抜く最大出力にもなると装甲をプラズマ化させるほどの高熱を与えるレジスタンスグループ最高の刀だ、とはいえしっかりとした整備なんかできない境遇だ、今もそれを出せるか、出せたとして刃がプラズマになっちまわないかわかったもんじゃない諸刃の剣だ。
かくして相手は黒塗りで7mはある体躯、全身鎧を着た西洋の騎士のような外見だ、二ホンがこれを使っているのを見ると笑ってしまうが西洋の鎧の方がロボ的には便利なのだから仕方ない、そもそも乙型は大体似たような見た目をしている、まあ普通の乙型は5m程度の大きさしかないしこいつみたいにバッテリーパックを二つも積んでないし電磁装甲付きで六つも剣が鞘ごと取り付けられてるマントなんかしてないのだが、反対に俺は参考にした乙型の造形を強く残していた、体躯は当然5m程度だが乙型を上回る電磁装甲にもなるマントはつけてる、ただ全身の電磁装甲は乙型より劣る、腕部にマウントしてある20mm機銃は今回少量の弾薬だけしか入れてないからそんなに使えない、右の後ろ肩に下がるように積んでるのは二連装ロケットランチャーで撃つときだけ肩の上に出てくる。
まあ乙型と違うのは言うてもこのくらいだろう、脚部に手りゅう弾の形を真似た爆弾を付けてきてるけどサイズ的には手りゅう弾ではなく爆弾だ、まあ要するに5mサイズの巨人用の手りゅう弾だ、あとは手にしてる刀だけであとはもう何もない。
機体は所々傷ついてるし開戦初期に塗りたくった対レーダー、対電磁攻撃用の塗装もほどんど剥げてごまかし程度に塗った黒い塗装のせいで黒色の中に銀色がまばらに光る夜空みたいな塗装になっちまってる。
少将殿はマントの五つ目の御剣である『剣王』を抜いてるばかりで他の剣に切り替える気はないらしい、あの大剣は守りに適した剣だ、大量のエネルギーを内包しているあの大剣はその剣自体が電磁装甲の力を有しており攻撃の際には膨大な熱量と高周波の振動で叩き切ってくる、まあ『剣帝』の持ってる剣の中では幾分かマシな方の武器だな、しかし俺の質量を全乗せした『熱斬剣』を防げたのは剣を斬りつつ電磁装甲で負荷に耐えきったからか? だとしても自信なくすけどな。
ただ俺の『電離刀』のフルパワーならぶった切れるだろう、油断して受けに回ってきたら掛けてみるのもありだな。
とりあえずあいさつ代わりに20mmを撃ち込むが剣に弾かれるかそもそも電磁装甲の反磁力に弾かれて全く意味がなかった、流石に帥とまではいかずとも帝級なだけはある、電磁装甲の強さも普通とは段違いだ。
無線から陽介の声が聞こえる。
『楽多、時間さえ稼いでくれればそれでいい『電離刀』は帥級でも倒せるようにとあつらえたものだが強力なだけ整備も難しくてできてない、無理に戦おうとはするなよ!』
『ちょ回線に割り込んでこないでください、集中が乱れます! ごめん楽多一回切る!』
何だったんだあいつら、いや別にいい集中しないとそれこそ一瞬で片を付けられる。
そういえばよく見るといつもと頭部の形状が違うか? あまり見ないがサポートユニットかもな、頭部につけるならセンサーか? 頭部の追加ユニットは初めて見るな最近開発されたのか?
『楽多、君が反政府軍になんぞに加入してる理由は知っている、妹がいるのだろう? 我々なら囚われていても助けてやれる、病ならできる限りの治療をしてやれる、名声や安定した生活が欲しいのであればなるべく叶えてやる、だから私たちと共に来い、チューンアップしたとはいえそのような機体で今まで激戦の中でも乗機を失わず数多の戦果を挙げたお主を我々がないがしろにすることは無い、貴様はもはや英雄なのだ、敵味方に関わらずな』
知ってる、わかってる、妹は病気だ、名声は要らない、安定した生活は欲しいかもしれない、でも今更そんな理由で佑衣を看病してくれてるあいつらを裏切るわけにはいかねえだろ……わかってんだけどな。
『さっさとかかってこいよ時代遅れ、俺は『夜』だ! 家族には安寧な眠りを敵には永遠の眠りを与える『夜』だぞこのじじい!!』
刀のギアを一段回引き上げる、全部で五段階のギアがあるこの刀は今三段階目のギアでさえ悲鳴を挙げている。
数度打ち合うが大剣の守りを崩せそうにはない、まあ別にそれでもいい。
『ふむ、なるほどやはりかでは吾も敬意を表して解放しよう』
『剣帝』は『剣王』をマントの鞘に戻すと両の腕で一本ずつ、左手で金属でできた巨大な黒い羽子板のようにも見える板のような剣を右手で『剣王』より三周りは小さな雷が走っているような捻じれた形の剣を取り出し構えて言う。
『『磁王』、『轟王』』
不味いっ!!
知っているからこその動きの遅れと知っているからこその的確な対応その二つがぶつかり合った結果。
『磁王』はまだいい、『轟王』は致命的だ!
刀を持っていない左手でマントを引っ掴みマントの電磁装甲に極限まで強くエネルギーを供給し直ぐパージしジェットブースターを全力で吹かして退避する。
発動が早い『磁王』は食らってしまった、というかそもそも避けようがない、あれは指向性のある反電磁パルスのようなものだ、あの黒の羽子板の能力はため込んだ強力な磁力とエネルギーの解放だ。
そのせいで電子機器の多くがシャットダウンに追い込まれるし同時に飛び散る反磁粒子のせいでEMP対策をしていたとしても通信の類が長時間使えなくなる、『汎用人型兵器』は大概EMPの対策を怠っていないが通信の類はどうしようもない。
そして『轟王』だがあれはやばい指向性の雷と言えばえぐさが伝わるだろうか、車や電磁装甲を持たない乗り物の類であれば必要以上に雷を怖がる必要はないだろう、だが電磁装甲はその特性上電気を放出することを抑制している、そのため雷を受けると電磁装甲そのものがショートして使い物にならなくなる、もしくはコックピットの保護や対策をとっていないと感電死一択だ、まあそれはそうとしてあれに当たれば当分満足に機体を動かすこともできないのは間違いない。
だから避けれてよかったと言えばよかったんだが解放するタイミングが不自然じゃないか?
『磁王』はわかるあれは戦闘用ではない、でも『轟王』の本来の使い方は斬り結んでいる最中にいきなり放電し電磁装甲を無効化するなり感電させたりを狙い敵を制するタイマンでは最強レベルの剣なのだそれをここで解放するのは違和感しかない。
今度はもう二振りの長剣と細剣、いわゆるレイピアを取り出して奴はわざわざスピーカー状態にして俺に聞かせる。
「『輝王』、『貫王』」
それらも当然知っている、だがその二振りは『轟王』ほど脅威ではない、『輝王』は刃に蓄積した膨大な熱エネルギーと純粋なエネルギーを攻撃が当たった瞬間に解放し装甲の融解と爆発を引き起こす長剣だ、『貫王』はその名の通り貫通することに特化したレイピアでその原理は俺の『電離刀』とほぼ同様だ、ただあちらはレイピアの先端にエネルギーを集めることで俺よりも省エネルギーでその装甲貫通力を実現するらしいが、ただどちらも当たらなければ問題はないのだ。
数度打ち合うと流石にその力の差がよくわかる、だが諦めるわけにはいかないだろう。
そう思いつつ二本の剣に注視しながら斬りあっていると少将は『輝王』で不格好な突きを晒してきた、これなら最小限の力で避けて反撃だ。
……いや違う!
不意に脚部のブースターも使って飛び上がる、それとほぼ同時に『輝王』は思い切り爆ぜた、恐らくエネルギーを限界まで貯めて暴発させたのだ、それは想像を絶する威力だった、地面に軽いクレーターができるほどだ。
しかし安堵に落ち着く暇もなく『貫王』が飛んできた、そう『貫王』の剣の部分だけが鍔を置き去りにして飛んできたのだ、当然のように剣先をプラズマで迸らせて。
これは流石に食らうとまずいだろう、だがブースターでもそう簡単に動くほど軽くもないし空では十分に身動きはとれない、だが左腕を犠牲にしてレイピアの進路を誘導させながら爆破させることで左腕一本だけの被害で済んだ。
そして地面に降り立つと『剣帝』は六本目の剣、いや刀をマントから鞘ごと取り外し右の腰に取り付けた、あの刀を抜いたところを俺は見たこともないしそんな話も聞いたことはない、それはつまるとこと本当に抜いたことがないか抜いたことを知らせる間もなく全員殺されてるかの二択だ。
「これはな、『閃王』という、私はこれで6つ全ての札を見せるわけだが、お前はどうなのだ、警告してやるこれを抜けばその時それはガラクタとなる、無論その際にお前も死ぬことになるやもしれん、だから今一度ここで聞かせろ、今なら無線なりで盗聴されてもいまい」
なるほどだから『磁王』を使ったわけか、なんともまあご苦労なことだ。
「なるほどな、んじゃまあ俺も本気出すだけだわ」
決裂の意思を感じ取ったのだろう、剣呑な雰囲気が広がる、今ここにいるのは機械とそれに乗る人間が二組ではなく、歴戦の武士と隻腕の武士に他ならない。
ギアを最大の五まで引き上げる、バッテリーパックが過熱で悲鳴を挙げているしなんだったら『電離刀』も今すぐに壊れそうなほどだ、自分の熱で溶けてしまいそうな刀身を嗤って見つめる。
少将も本当に刀を構えているように腰を深く落とし居合の構えを取る。
「「いざ!」」
中途半端なところで終わっちゃいましたけど明確に決着を書いてそのあとにまで話を続けるよりは一番書きたかったところを書いて終わらせました。
続き見たいとか連載にしてほしいとかあればコメント頂けたら……多分やります。
今回の短編で話した電磁装甲とかEMPとか『磁王』とか『轟王』の設定に関してはにわか知識でなんとなくこんなこと置きそうやな思うたのを書いただけですので物理的にはあとかやめてください、私はそれをやられたら溶けて現実世界とは物理法則違うんです!!って言い返します。




