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第4話



「2人とも部屋行くよ」


ジニアさんの呼び声に着いていく。


ここは使い魔と一緒に暮らす人専用の棟だと説明を受けた通り、すれ違う人のほとんどが使い魔と行動を共にしていた。

しかしやはりオッドアイの白虎は目を引くのか連れ違う人の視線が痛い。

圧でもかけたのかと思うほど頭を下げてくる使い魔もいるほどだった。


「ここだな」


そんなこんなで着いたのは木製の扉の部屋だった。

扉には部屋番号を付けるらしい枠が用意されているが中身がない。


「これなんだろう」

「鍵回しても開かないし、渡された鍵が違うとか?」


鍵を差し込んで回しても一向に回る気配がないらしい。


するとちょうど後ろを通りかかった人が声をかけてくれた。


「わぁ、綺麗な白虎だ…あ、もしかして新入生?鍵の開け方分からない?」

「そうです。鍵が回しても開かなくて…」

「そこの枠に向けて魔法を使ってみて」


言われた通りに魔法を使うと枠の中に文字が浮かび上がる。


『ようこそ。あなたと使い魔のお名前を入力してください』


「そこに名前を書くと開くよ」

「ありがとうございます」


ランサさんと私も教えてくれた人に頭を下げることでお礼を伝えてから名前を書いてもらい、各々部屋の中に入る。


部屋の中にはベッドや机、クローゼットなど生活する上で必要な物が置いてある。


「おぉ、すごいな」

「中も案外広いんですね」


外と繋がっている扉を開ければそのままリビングに繋がっており、それぞれの部屋にはリビングから直接行けるような造りだった。


色々見てみると、シャワールームや洗面所などもあった。

やはりここは日本とは違うのか、靴を脱ぐスペースや湯舟は無かった。

それでも外からでは想像できない広さだから、この棟を建てる時に収縮魔法でも使ったのかもしれない。


「ルイー、どっちの部屋使いたいとかあるか?」

「アルシェさんの使いやすい方を選んでください。私はどちらでも構わないので」

「うーん、じゃあこっちで」


そう言ってアルシェさんは左側の個室を選んだ。

必然的に私が右側の部屋になる。


中に入るとベッドだけでなく人間用にサイドチェストなども完備されているため、きっとどちらの部屋も同じ造りなのだろう。

しかし獣の姿だと扉を開ける時に手が使えないから煩わしい。


一通り見てからリビングに戻ればちょうどアルシェさんも部屋から出てきたところだった。


「部屋も確認したし、ご飯食べに行くか?」

「先に荷解きとかしなくていいんですか?」


私はもともと手ぶらだったため荷解きの必要がないが、アルシェさんには荷物があるはずだ。


「俺の荷物は空間収納の術をかけた鞄で持ち込んでいるかそのままでも問題ないよ」


そんな便利な物も流通している世界なのかと驚かされた。

たしかに今の私の知識でも術を上手く組み合わせれば無理なことではないことが分かる。


「どうも~、2人とも一通り終わった~?」


ノックもなしに部屋を開けてきたのはジニアさんだ。


「あのな、もう少し気遣いってものをだな…」

「そんなことはいいじゃん。それよりご飯食べに行かない?もちろんランサもいるよ」

「そんなことって…まぁ俺たちもご飯の話はしてたし一緒に食べるか。ルイはどうする?」

「私も行きます」


ジニアさんは私たちの同意に嬉しそうに笑っているが、ランサさんは呆れたようにため息をついた。


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