第54話 平尾坂の館1
古馬沙也加の事務所にテレビ支局の局長から電話がある。
沙也加はまたテレビの出演依頼かと思う。
戻らずの森の件から局長に気に入られ何度も電話がかかってきている。
「館に一晩泊まる調査をしてほしいのですが。」
「テレビには出ませんよ。」
「分かっています、平尾坂の館と言う名前は知っていますか。」
「いいえ、知りません。」
「情報では、ある金持ちの別荘なのですが幽霊を見たり、ポルターガイストがあるそうで、持ち主はマニアに貸し出しているんですが、そこを取材することになりまして・・・」
「取材班の付き添いもお断りします。」
「いいえ違います、行くのはアイドルなのですが怖いのはだめということでして、その前に調査をしてほしいのです。」
「アイドルを替えた方が早くありませんか。」
「視聴率のこともあって、出演者は替えられないのです。」
「そこに一晩泊まって安全を確認すれはいいのですね。」
「そうです、お願いします。」
「分かりました。」
彼女は局長の依頼を受けることにする。
沙也加とたすくは、パソコンで平尾坂の館について検索する。
幽霊の目撃例は多数、家具が動いたりするポルターガイストに面白半分に泊まって精神に異常をきたしたり、自殺することもあったようだ。
要は心霊貸別荘である。
「危ない霊がいるかもしれませんね。」
「そうね、それより別荘に2人きりで一泊よ。」
「そ、そうですね。」
たすくはこれは期待してもよいのかと考える。
別荘は山の中腹の森の中にあり近くには人の住む建物は無い。
しかし、別荘の前まで道が作られており、沙也加とたすくはアルファロメオスパイダーで乗り付ける。
別荘は木造2階建て古くいかにもといった雰囲気を醸し出している。
車から降りると2人は手をつなぐすると2階の中央の窓から女の子が見下ろしているのが見える。
「気を引き締めていきましょう。」
「はい。」
彼女は何か気配を感じ取っているようであるが、たすくには分からない。
預かったカギで玄関ドアを開け玄関ホールに入ると既に数人の霊がいる。
彼女は空気中の水分を使って水の刃を作ると霊に切りつけ霧散させる。
次に居間に行く、数十人の霊が見え、中には黒い靄で包まれ悪霊と化そうとしているものもいる。
「大掃除しましょ。」
沙也加はたすくに抱き着く、たすくの体から光があふれ出し、一度に数十人の霊を消し去る。
そして、二人は1階の部屋を見て回るが霊は見つからない。
最後に台所に入ると沙也加目掛けて包丁が飛んでくる、沙也加はぎりぎりのところでかわし包丁は壁に刺さる。
台所には黒い霊と包丁が3本が宙に浮いている。
「こいつね、たすくは下がっていて。」
沙也加は2リットル入りのペットボトルを取り出し、水を出すと水の刀と盾を作り出す。
包丁が飛んでくる、彼女はそれを盾ではじき霊に迫る、盾で叩きつけ、ひるんだところを刀で切りつける。
霊は左肩から胸にかけて切られるが、元に戻り、再び包丁を操って、彼女に向けて飛ばす。
包丁を盾ではじきながら霊に切りつける、しかし、霊の傷は元に戻る。
だが、力が弱まったのか、霊は包丁を操らなくなる。
沙也加は霊を切りつけ続ける、とうとう霊の傷が治らなくなる。
そして、霊を真っ二つに切ると霧散する。
沙也加は別荘に着くと大勢の霊の気配の中に強力な悪霊の気配を感じ取る。
車から降りるとミネラルウォーター2リットル入りのペットボトルを直ぐ出せるようにする。
そしてたすくと手をつなぎ玄関ドアを開け中に入る。
玄関ホールには数人の霊がいる、放っておいてもいいが一応、水の刃で霧散させる、
次に居間に入ると数十人の霊の霊がいる、面倒なのでたすくに抱き着き、陽の光を出してもらい消し去る。
1階に悪霊がいるのは間違いない、探すが見つからない、気配が館を包み込んでいて場所が特定しずらいのである。
台所に入ると包丁が飛んできてぎりぎりでかわす。
悪霊は台所にいた、宙に浮き、黒い気で包丁を3本包んで持っている。
彼女はペットボトルの水から刀と盾を作り出す。
悪霊は3本の包丁を投げつける。
彼女は盾で包丁をはじき、盾を悪霊に叩きつけ、刀で袈裟斬りにする。
しかし、悪霊は笑い、傷は治る。
悪霊は再び包丁を投げつける、沙也加は盾で包丁をはじき霊に切りつける。
傷は治るが、悪霊の纏う黒い気は薄くなり包丁を持てなくなる。
彼女は悪霊に切りつけ続け、力を削っていく、そして最後に真っ二つに切り霧散させる。




