第42話 水の異形1
たすくがバイトで沙也加の事務所へ来ると沙也加はいきなり
「明日、一泊でデートしましょ。」
「沙也加さん、本当ですか。」
たすくはこれまでしてきた怖い思いが報われるのを感じる。
「もちろんバイト代出すわよ。」
「仕事ですか。」
たすくは地獄に落とされたような顔になる。
「嫌なの、シティホテルのジュニアスィートに一泊で、プールでお仕事よ。」
「ぜひ、一緒に行かせてください。」
たすくは元気を取り戻す。
沙也加のことはホテル業界で有名になったらしく、東京のホテルの依頼が舞い込んできた。
沙也加は電話で支配人から依頼の内容を聞く
「ホテルにはバーを併設したプールがあり、1年ほど前から溺れる客が増えだしまして、プールで泳いでいると見えない何かに足を掴まれ水の中に引きずり込まれるとか、従業員の中にもプールに幽霊を見た者もいるのです。」
「それで調査して欲しいということですね。」
「はい、先生の噂は聞いています、ぜひ除霊、いえ調査をお願いしたいのです。」
「分かりました。」
こうして、沙也加は、水の中なら楽勝と思い、たすくとの一泊デートを勝ち取ったつもりでいる。
沙也加とたすくは新幹線で東京へ向かう、沙也加はおしゃれをしている
「沙也加さん、仕事で行くの分かってます?」
「分かっているわよ、水の中なら楽勝ね。」
「そんなこと言っていると足元すくわれますよ。」
「たすくは私と一緒で楽しくないの。」
「仕事は仕事です。」
たすくはそういいながらも、おしゃれをした沙也加を見れてうれしかったりする。
しかし、シティホテルホテルに着くと沙也加の表情は変わる
「どうしたんですか、さっきから深刻そうですけど。」
「私は、随分思い違いをいていたわ、依頼料もっと高くするんだったわ。」
「お金のことですか。」
「違うわ、相手は霊じゃないということよ。」
「なら、断りますか。」
「いいえ、相手を見極めてからにしましょ。」
2人はとりあえずプールの様子を見ることにする。
沙也加はホテルに着くと気配を探る。
霊の気配もあるが力のあるものは感じられない。
代わりに異様な大きい気配がある。
沙也加には、その気配と同様の物を感じたことがある。
それは異界での異形の気配である。
彼女は、自分の思い違いに気づく、相手は未知のものであることに・・・




