第19話 退魔紀行5
神社からタクシーで観光ホテルへ行く。
沙也加は受付でいきなり
「困っていることはありませんか。」
「はい。」
「私は探偵をいているのですが怪奇現象に詳しいのです。」
「ちょっと待ってください。」
そこからは支配人と話をすることになる。
支配人は
「どうしてここに来られたのですか。」
「宿泊のためでたまたまです。」
「当方が困っていることをどうして知っているのですか。」
「このホテルに来た時、気配で分かりました。」
「何が起こっているのか分かるのですか。」
「いいえ、ただかなり危ないと思いまして。」
「古馬沙也加さんですね、例のホテル倒壊にかかわった方ですね。」
「なぜ知っているのです。」
「私たちの業界では有名人ですよ。」
「それでどうしますか。」
「どうかできるのならお願いしたいのですが、既にお祓いを何度もしておりまして、中には亡くなられた方もいます、それでもいいのですか。」
「ええ、手に負えなければはっきり言います。」
「分かりました、お願いいたします。」
支配人の説明では
「ロビーのある本館の北東に北館があって、そこの突き当りにある3110号室でかって首吊り自殺があり、その後、この部屋に泊まる客が変死したり、精神に異常をきたしたりすることが続いた。」
「そのためこの部屋を使用禁止にして、お祓いしても効果がなく、さらに北館3階に泊まる客が幽霊を見たり、封鎖しているはずの3110号室で自殺することまで発生した。」
「そしてついには北館の3階そのものを使用禁止にしている。」
とのことであった。
「分かりました、北館3階にへ行く前にジュースの自販機に案内してください。」
沙也加はミネラルウォーターのペットボトルを4本買ってから、たすくと共に北館の3階に案内される。
沙也加と手をつないだたすくは突き当りの3110号室までの通路が異形のもので床や壁、天井が埋め尽くされているのを見る。
「何ですかこれ。」
「邪霊の群れよ、たすく、両手のひらを前にかざして」
「こうですか。」
両手を前に突き出し手のひらをかざす
「そうそう」
しかし、弱い光しか出ない
それでも近くの邪霊が消える、沙也加はたすくの後ろに回り体を密着させる
すると手のひらから強力な光が出る。
そして、3110号室までの邪霊が一掃される。
沙也加はたすくに
「エッチ」
と言う、たすくはばれてしまったとうなだれる。
支配人は聞く
「今何かしたのですか。」
「邪霊を一掃しました、後は3110号室だけです。」
3人は3110号室の前に立つ。