第114話 たすく、さらわれる3
鬼頭亜香子の事務所に電話が入る
「今夜の仕事を依頼したものですが、キャンセルをお願いします。」
「ちょっとどういうことですか。」
一方的に電話を切られてしまう。
しばらくして、五條美月から事務所に電話が入る
「たすく様を預かっていただいていると思いますが、直ぐに開放してください。」
「何を言っているの、あなたに関係ないでしょ。」
「困りましたわ、沙也加と提携してしまったの。」
亜香子は陥った事態を理解する
「あなたが私の依頼者に何かしたのね。」
「何のことかしら、でもこのままだと依頼が来なくなるかもしれないわね。」
「分かりました、たすくは開放します。」
「それだけ。」
「もう手出しはしないわ。」
「よくできました。」
亜香子はたすくを手放さないと干されてしまう。
五條を敵には回せないのだ。
亜香子は言う
「たすく、あなたを開放するわ。」
マッスルはモストマスキュラーのポーズで別れを惜しむ。
たすくは沙也加の事務所の前で解放される。
たすくが事務所に入ると沙也加が
「大丈夫、何かされなかった。」
「大丈夫です、婚姻届をかかされそうになりましたけど。」
沙也加の顔色が変わる
「楽しそうね。」
美月が割って入る
「たすく様、沙也加が私が妾だと認めてくれましたわ。」
「沙也加、どういうこと。」
「美月となら浮気じゃないと言うことよ。」
「さあ、今夜にでもどうですか。」
「待ってください、僕は沙也加がいいんです。」
「たまには、私の方も見てくださいね。」
「それより行くわよ。」
沙也加は強引に話を打ち切る。
沙也加とたすく、美月は五條家の運転手付きの車である民家に行く。
3人は家主に事情を聞く
「夜中2時頃になると廊下を歩く足音が聞こえて2階に上がっていくんです。」
「分かりました。」
この仕事は鬼頭亜香子が受けていた仕事である。
沙也加と美月には廊下を徘徊する老婆の霊が見えている。
沙也加はペットボトルから水を出し、水の刃を作り出す。
そして、老婆の霊に切りつけると霊は水の刃と共に霧散する
「もう大丈夫ですよ。」
「ありがとうございます、これで良く寝れます。」
3人は仕事を終え帰り道に着く。
美月が突然言い出す
「途中、ラブホテルに寄ってください。」
「はい、お嬢様。」
「何言っているの。」
沙也加が言う
「積極的にならないと、たすく様はしてくれませんわ。」
「そうだけど。」
沙也加はたすくを見ると彼は固まっている。
五條家の離れで家長の美月と家長代行の樹が話している
「鬼頭亜香子はうまく動いてくれましたね。」
「ええ、おかげで沙也加とたすく様が手に入りましたわ。」
「良かったですね。」
「ええ、妾の地位も手に入れましたし、予定通りですわ。」
美月は嬉しそうに笑う。