第11話 三角の家3
黒い影が沙也加に近づくと彼女な体が浮き上がり苦しみ始める。
彼女は折れた刀をナイフに作り替え黒い影に突き立てる。
すると彼女は解放されたのか部屋に倒れる。
彼女は、1本目のペットボトルの残りの水を使って再び水の刀を作り黒い影に立ち向かう。
黒い影を切り伏せようとするが、切るたび刀は削れ細くなっていく。
業者は、黒い影が最初より薄くなってきていることに気づく。
しかし、刀が使い物にならなくなる方がはやい、
沙也加は、刀の残りを水の刃にして黒い影の周りを飛ばし牽制する。
そして2本目のペットボトルを使う、今度は全ての水を使う、当然、水の刀は大きなものになるが
集中し水の密度を濃くすると刀が縮む、そしてより硬質な鋭い刀を作り出す。
その刀で黒い影を切りつける、彼女が切るたび黒い影は霧散していき最後は見えなくなる。
沙也加は業者に言う
「これで調査は終了しました、もう、何もいませんわ。」
「ありがとうございました。」
業者は礼を言いながら思う、これは調査でなくて悪霊の討伐だと。
沙也加は三角の家を見ると強力な霊のたまり場になっていることに気づく。
これでは敷地に近づくだけで何が起こるか分からない。
助手のたすくを置いて行くことにする。
用心のためたすくの周りに結界を張る。
たすくが聞く
「そんなに危ないんですか。」
2階の窓から睨んでいる悪霊はかなり強力だ、場合によっては逃げることも必要だろう
「そうよ。」
と言って、いつもより1本多くミネラルウォーターのペットボトルを持つ。
不動産業者はかわいそうだが一緒に来てもらうほかない。
沙也加は水の刀を用意すると業者に門を開けてもらう。
庭にいる霊を3人、刀で切り伏せ霧散させる。
霊は人を呪っているのか、うらやまし気に
「おおおー」
と声を上げながら消えていく。
業者が玄関に近づく、玄関のドアに同化した霊が長い髪を両手に持ち首を吊り上げようと待っている
「まって」
と業者を止め玄関のドアを刀で切り裂く。
玄関に入ると、老婆の霊がこちらを睨んでいる、沙也加は刀で一突きして霧散させる。
沙也加は2階の悪霊のことを考え、いつでも逃げられるように靴を脱がないで中に入ることにした。