相川という男
最後まで読んでくださると嬉しいです。
程なくして学校に着いた私は、靴箱に靴を入れ、慣れた手つきで上履きに履き替えた。
私の教室は3階にある。3階って地味に疲れるし、きつい。正直一階がいい、なんて思いながら毎日階段を登っている。
因みに学校自体は4階建て。見た目は築60年程かな?全体的に古い感じ。
そんなことを考えてたらいつのまにか教室の前、このドアを見るのでさえ嫌になる。
でも開けないわけにはいかない、「アハハハ笑笑、それマジウケるわー」このうるさい声、これがいわゆる陽キャの声。
本当にうるさい。毎朝これだよ、この元気はどこからくるんだろう、
いいな陽キャってもんは人生毎日楽しそうで。羨ましい限りだよ本当に。
この声を聞いて更に入りたくなくなった。
でも入んないと、そう言い聞かせてドアを開けた。
ドアを開けると、イヤホンで音楽聴いてたり友達と数人で喋ってたり一人で机に降っぷして寝てたり、皆んな過ごし方はバラバラだけどまだ授業のない時間を楽しんでいる。
そんな光景を見ながら静かにそっと身を隠すように教室に入った。
すると後ろから、「社ちゃんおはようー」と声がした。
そのクソデカボイスやめてくれ。
誰かは分かっている、あいつだ。
相川燈だ。
女子の目線が痛い、目立ちたくない私にとってはこいつは敵だ。
毎日毎日事あるごとに話しかけてきて、最初のうちは周りの目を気にして愛想笑いなどをして流していたがそれも疲れて最近では無視しを決め込んでいる。
相川はとにかく目立つしモテる、それに顔は整いすぎて逆に怖いレベルのイケメン。
髪は少し癖っ毛で若干茶色、目はくりくりの二重、おまけに頭も良い、なんとこんなイケメンでもびっくりすることに彼女がいない。
以前学校で1番美人の佐藤さんに告白されてるのを見てしまったことがあるのだが、なんと相川は真顔で、「俺、他に好きな人いるから...ごめん。」ってあの学校1美女を降ったのだ。
なんとも勿体ない、私が相川だったら死ぬほど女子と付き合ってモテまくって人生無双するのになー。
そんなこんな考えながら相川の挨拶をフル無視した。
相川は、今にも泣きそうな子犬のような目をさせながら、「社ちゃんが冷たい!!ショック、俺泣いちゃう!!」
なんてほざいてた、いや、勝手に泣け。
あと、周りの目痛いからこっち来ないで!!
「今日も最悪な1日の始まりだ」
なんて呟いた。
最後まで読んで下さりありがとうございました!