05 指がぁ...
~移動中~
助手:「大丈夫ですか?」
木葉:「ええ...何とか...」
本当に大丈夫だろうか...
旦那さんの浮気が気になって、よく眠れていなかったのだろう...
助手:「...旦那さんはきっと、会社の同僚とか、昔からの友達といるだけですよ。」
木葉:「...それならいいですね...」
う!空気が重い,..
何とかこの雰囲気から抜け出したいが...
木葉:「...夫は少々気が弱く、浮気ができるような性格ではない...はずなんです...」
抜け出したいのに相手の方から沼に引きずりおろしてきたぁ!
底なし沼だぁ!誰か助けてぇ~!?
木葉:「...家にいるときは、いつも自分のことよりも私のことをを優先して...あんなにやさしく微笑みかけてくれる夫が浮気だなんてっ...!」
あぁ...また泣き出してしまった!
どうすれば...
考えろ!今の僕にできることは何だ!
慰めても状況は変わらない...なら笑わせなければ。
信号で車が止まった!
...よし!あれをやるしかない!
助手:「...木葉さん!...指がぁ~」
僕の親指がとれた!
その時、時間が止まった......ように感じた。
......うん!選択ミスった!
助手:「あの!その!これはふざけたんじゃなくて!
木葉さんは笑顔が似合う女性だと思うんです!
旦那さんの浮気調査は、僕が責任をもって頑張りますので安心...はできないかもしれないですけど...できる限り頑張るので、その...笑顔でいてください!」
...いや、何言ってるんだ僕は!?
これじゃあ、まるで口説いてる見たいじゃないか!
木葉さんだってぽかんとしてる!
これ絶対にやらかした~!
木葉:「...っぷ!」
助手:「へ?」
木葉:「ふふふ!」
おぉ...?
何とか雰囲気の改善には成功したようだ。
木葉:「こんな年下の子に口説かれちゃった!」
助手:「!?いや、口説いたとか...そういうわけじゃなくて...!」
木葉:「ふふ!そんなに慌てちゃって。」
木葉:「ねぇねぇ、さっき探偵さんが言ってた送り狼ってどういう意味?」
ここでその話に戻るんですか!?
助手:「え~と....それは...なんていうか...その~」
木葉:「ん?何?」
僕が回答に困っていると後ろからクラクションを鳴らされた。
いつの間にか信号が変わっていたようだ。
助手:「あ!さっさと行かないと!」
木葉:「...助手君、話をそらそうとしてない?」
助手:「そんなことないですよ!」
雰囲気は改善したけど、なんかめんどくさいことになってしまった...
この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。