03 依頼内容
木葉:「ああ、どうもありがとうございます。
私、コーヒー好きなんです。
毎日、夕食時に夫が入れてくれて...」
そこで声のトーンがだんだん下がっていった。
探偵:「それで?我が探偵社にどんな依頼を持ち込みに来たんだい?」
木葉:「...あの...その...夫が浮気してるのか...調査をお願いしたいのですが...」
なるほど...浮気調査か...
木葉:「...2か月ほど前から夫の休日出勤が増え始めて...
2週間くらい前に、夫が家を出たすぐ後くらいに、お弁当を忘れてるのに気が付いて...
家から歩いて行ける範囲に会社があるので、急いで夫を追いかけたんです。
でも、夫を見つけたと思ったら会社とは違う方向に進んでいって...
どうしてだろうと追いかけてみたら、"ホワイト・クロス"というお店に入っていったんです!
そこで...もしかしたら...夫が...浮気でもしてるんじゃないかって...」
そこで奥さんが泣き出してしまった!
助手:「あぁ...落ち着いてください!」
どうしたらいいんだ!こんな目の前で年上の人が泣く場面に遭遇したことがないから、どうすればいいのかさっぱりわかんない!
とりあえず、ハンカチでも...
助手:「どうぞ。」
木葉:「...ありがとうございます。」
それで、ホームズさんはこの依頼を受けるのだろうか?
僕は助手...依頼を受けるか受けないかは、ホームズさんが決めることだろう。
まあ、二週間も依頼人が来なかったから、受けるとは思うが...
僕は小声で探偵と話す。
助手:「ホームズさん、この依頼受けるんですか?受けないんですか?」
探偵:「それは君が決めればいいさ。」
助手:「ふぇ?」
探偵:「私は基本、この椅子から動かない。」
ええ、それはこの2週間でよく分かってますけど...
依頼があっても動かないつもりですか...
探偵:「浮気調査のような、足を使う分野は助手である君の担当だろう?」
助手:「...まあ、そうなのかもしれませんが...」
え?じゃあなに?
この探偵、入って2週間しか経ってない僕に、この依頼を丸投げするってことか!?
浮気調査...僕にできるだろうか...
探偵:「なに、浮気調査くらいなら君でもできるだろう...」
心を読まれた!?
探偵:「浮気調査の基本は尾行だ。
尾行して浮気現場を1回でも撮影出来たら完了だ、簡単だろう?」
助手:「尾行なんてやったことないですよ...」
探偵:「何事にも慣れというものだよ。
失敗を通して人間は成長するんだ。」
失敗しちゃダメだろ!
探偵:「...ちなみに、心は読んでないよ?」
いや、絶対読んでるだろ!?
...はぁ、流石にこの状態の女性をほっとくというのは、僕にはできないなぁ。
助手:「......はい、それではその依頼お受けしたいと思います。」
この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。
現実の探偵業はもっと大変です!
フィクションですので、こんな感じに緩くなっています!