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3話 守れない約束

3話あらすじ

ひっそりと暮らしていくことを決めたヒトデの前に突然現れた団体の元・同期であるエウロパ。彼女は団体が行う、ある作戦についてヒトデに話す。

母が死んでから何日経っただろう。どのぐらい泣いただろう。今でも思い出すだけで泣いてしまいそうだ。


僕は今殺し屋の仕事を辞めて森の中にあった古小屋に住んでいた。ご飯は豚の肉やイノシシの肉を食べていた、人を殺していた僕にとって動物を殺す事など容易い事だった。


そんなある日……


「 よっし……今日はイノシシがとれたし、あとはこのキノコとこの草を食べるか……。 」


僕はいつものように狩をしていた。そして家に帰るとフードを被った人物が自分の家の前に立っていた。もしや僕を殺しに来たのではないかと思い、ゆっくりと近づく。そして落ちていた木の棒をもち足を蹴り空中に浮いた体を地面に叩きつけ拘束する。


「 いたいっ……!!」


そこで僕はその人物を確認すると、その人物は団体にいた僕と同い年の女の子、エウロパだった。


「 エウロパ? 何でここに? 」


そこで彼女は自分が団長に言われたとおりに僕に伝えた。その内容は、純プレデターの村が見つかったのでその村の大人を殲滅し、子供を連れて帰れというものでそして、作戦に参加しない場合は僕を殺すと言う内容だった。


「 嫌だ……僕はもう殺しはしない……そう決めたんだ。」


「 でも!!そしたら貴方が狙われるのよ!? 貴方は殺さなくてもいいじゃない! 参加しろってだけでしょ!? 」


エウロパは僕の事を心配してくれていた。


それはエウロパの目を見ればわかる、少し涙ぐんでいた。


エウロパは好きで団体に入ったわけではなく孤児だったエウロパを団長が拾い強制的に団体に入れたのだ。そのため彼女は団体の中で嫌われていて作戦には参加しても補助をするという役回りだった。


僕もエウロパには心を許していた、同じ孤児だったということもあるが、エウロパは心が綺麗で何でも相談できる唯一の存在だった。


そんな彼女を僕の元へ送ったのはその事を知っての事だろう。


「 僕は……もうプレデターを殺す作戦には参加したくもないんだ……わるいけど帰ってくれ。」


「 でも…… 」


「 大丈夫……僕に勝てる奴なんてあの団体にはいないから! 」


エウロパは相変わらず心配そうにしていたが僕はやらないと言い張り無理やりエウロパを帰らせた。


僕はエウロパが帰ったあと狩で獲ったイノシシの肉を焼いて食べる。


味付けなどは塩だけだがこれが案外上手いもので

あっさりしていてとても食べやすい。


それから僕はいつ団体が襲ってきてもいいようにトレーニングをして眠りについた。


しかしその時は早くやってくる……。


2日後の朝、僕は早く目が覚めてカーテンを開けるとすぐそこにローブを着た奴らが3、4人いた、僕はそれを見た瞬間すぐにカーテンを閉めるそしてローブを着た1人がドアを蹴破り入ってきた。


僕はそれがわかっていたので天井に張り付いていた。それからその人の後頭部を思い切り殴り気絶させ、それから続けてきた2人も同様に気絶させたそして最後の1人を片付けようとしたときその人物に気づく。


「 エウロパ……なんで…… 」


エウロパは黙っていた、そして顔をゆっくりとあげ涙きながらヒトデにさけんだ。


「 逃げてっ……逃げてぇっ!! 」


エウロパの目は黒くなっていた。昔のように澄んだ瞳ではなく。まるでプレデターの血で染まっているような感じだった。


そしてエウロパは自我を失ったのか襲いかかってくる。

まず右手で僕の顔を狙ってきた、僕は普通に避けたがなぜか顔に切られたような傷ができ血が出てきていた。


「 なんで…… 」


エウロパは次は右脚を振り上げる。僕は同様に普通に避けるがまたもや脚に傷がついた。僕は理解する。


エウロパは実験で使われたのだとプレデターの力を強制的に入れられたのだろう。


そのせいで力がかなり上がっているのだ。

しかしそれと同時にエウロパの体も血が出ていた。僕は彼女を傷つけたくなく。


自滅を待った、その時はすぐにきて倒れて起き上がれなくなった。そしてもう体が戦えない事を確認した僕はエウロパに近づく。


「 エウロパ……何があったんだ…… 」


そう聞くとエウロパはもう意識が元に戻ったのか僕の質問に答えてくれた。


「 貴方を連れ戻すために手足をもいで連れてこいって……それで私は嫌だって言ったんだけど……無理やり連れて行かれて。なんだか注射されて眠たくなって……気付いたらこの力とこの目になってたの 」


エウロパはそう言って涙をながした。次の瞬間、煙幕が撒かれ煙が晴れたときには僕が倒したローブの男達が居なくなっていた。しかしエウロパはそのままだったが何か不気味だった。


そして次の瞬間エウロパは僕を押し倒した。

押し倒した僕の頭の横を弓矢が通過してエウロパの胸に刺さる。そしてエウロパは笑って僕に告げる。


「 い……き……て…… 」


そう言ってエウロパは息を引き取った。

僕はその後、死んだエウロパと話す。


「 ごめんな……エウロパ。 」


「 ごめんなさい、母さん。 僕は約束を破ります。 」


僕はエウロパのぶんまで生きようと誓った。


僕から母をそして友達を奪った団体を絶対に壊滅させると。


エウロパの死体に誓った。


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