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2話 大食いのプレデター

2話あらすじ

村の惨劇が過ぎ独りぼっちになってしまったサラ。悲しみから立ち直ることも出来ず孤独と一人で戦っていた。そんな中あることをきっかけに行動を起こすことを決心するが、、、。

私はプレデターとして生まれた。


プレデターは特別な種族で人を食べれば身体能力が高くなる種族だ。


私はその中でも100年に1人の大食いプレデターとして生まれた。


歴代の大食いプレデターは大食いゆえのかなりの力で人を何人もの人を殺して食べてきた。


しかし私は出来なかった……人を食べたくなかった。友達がいたとか親しい人がいたとかそういうわけではない。


しかし、人を食べるという行為が嫌だった。


だから人を殺す狩には参加していなかった。初めは村の皆んなもチヤホヤしてくれたが私が成長していくにつれ冷たい目で見られるようになった。


「 タダ飯食い……仕事もしねぇくせに。 」


「 さっさと死んじゃえ…… 」


そんな言葉を投げかけられるようになった。


私はいつしか外に出なくなった。そして親も干渉してこなくなった。


しかし1人だけ私にいつも優しくしてくれる人がいた。


「 サラ!今日もずっとここにいたのか? 」


兄である。兄は優秀で村で一番人を狩るのが上手い。私とは正反対の存在だった。


「 お兄ちゃん…… 」


「 はいっ!これ今日の飯だ!沢山食べろよ! 」


兄は私が人を食べないのを知ってか動物の肉を持ってきてくれていた。


「 こんな量毎日とってくるの大変じゃない? 」


「 可愛い妹の為だ!大変なんかじゃねーよ! 」


兄はいつもそう言う。私に優しくしてくれる。


そしてあの日が訪れる。


ある団体が私達純プレデターを実験道具として襲って来たのだ。


それは急に訪れた。


町でかなりの大きな爆発音があった。


夜なのに外がチカチカと明るいのが、カーテンの隙間から見てわかる。


村が燃えている。


私の家は村でも外れの方にあるにもかかわらず、さっきの爆発で村は一気に火の海と化した。爆発は村の中心で起きたみたいだか、ここまで来るというのはものすごい勢いだったと思う。


私はすぐさま家のタンスに逃げ込み、止まらない震えと外から聞こえてくる断末魔のような叫びとで頭がおかしくなりそうになりながらも必死に声を殺して隠れていた。


すると突然勢い良く扉が開き、知らない男が中に入ってきた。その男がタンスに近づいてこようとしたその時、その男の足が止まった。


何者かがその男を引き止めたようだった。しかしその瞬間に部屋全体に血が飛び散り、その血の色は私がよく知っているプレデター特有の〝黒〟だった。


その男は倒れている男の子らしき何者かを肩に背負い、その部屋を後にした。出ていく直前に見た背負われている男の子の顔は最後の力を振り絞ったと言わんばかりの笑顔でこちらを向いて笑っていた。


私はその時、涙が止まらなくなり、連れて行かれる兄の名前を叫ぼうとする口を必死手で抑えた。


「..............。」


それから私は頭を抱えて縮こまっていると村から叫び声は聞こえなくなっていた。


それから私は家の外に出るとそこには仲間の死体と団体の死体がそこら中にころがっていた。


私は凄い吐き気に襲われ吐いてしまった。


それから私は急いで家に戻り水浴びをした。


そして何も考えないようにして眠りについた。


次の日の朝はゆっくりドアを開けて外を見るとやはりそこには死体が転がっていた。


家からはまだ火が消えていないのか煙が上がっている。

再び吐き気に襲われ私は吐いた。


それから3日がたち、私は空腹で頭がおかしくなってしまっていた。


「 あーっあーっご飯……肉ぅ……肉ぅ… 」


私は無意識のまま外にでてすぐそこに転がっている仲間の腕が落ちていたので空腹にかられ喉がごくりとなるのが自分でもわかった。


そして私は仲間の腕に食いついた。


自分の体が空腹が満ちていくのがわかる私は貪り食べた。何人もの仲間を。口の中が黒く染まっていく。


空腹が満たされると私は我に返り吐いてしまう。私は何日もそれを続けていた。


空腹にかられ仲間をたべ空腹が満たされると我に返り吐くそんな生活が続いていた。


そして私は仲間を食い尽くしそれから2日がたち私は人生で初めて外に出る事を決意する。


人を狩る度胸などまだなくとりあえずは動物を狩ろうという気持ちで外へでた。


そこにはうさぎがいてうさぎなら捕まえられるかもとそっと近寄り飛びかかる。


しかしうさぎにぴょんっと避けられ地面に落ちる。


「 痛いよぉ…… 」


私はウサギを捕まえることの難しさを痛感した。


次は動きの遅そうなブタを狙うが豚に跳ね飛ばされ捕まえる事などできなかった。


私は村にもどり町の中を歩く。


見慣れたくはないが死骸の散らかっている村は少し見慣れてしまった。


その中で私はまだ食べれる仲間の死骸を探し仲間の体を隅々まで食い尽くした。


そして立ち上がり村の武器が見えたのでそこへとはいる。そこには剣が沢山置いてあった。私はその中から短い剣をとり家に戻る。


「 明日こそは豚やウサギを食べよう…… 」


そして私は眠りについた。


次の日の朝……私は森に向かいブタやウサギを探したが全然見つからなかった。


探しているうちに道のような所にでた。


すると向こうから人の声がして私はとっさに身を隠す。

馬車が通り過ぎてから急いで森へと戻った。


その途中私はブタを見つけた。歩き回り腹はかなりの減っていた。


私は猛獣の様にブタを斬る。


しかし豚は逃げようとするので私は首を思いっきり刺した。


すると豚は悲鳴と大量の血をあげながら倒れて死んだ。


私はその豚に貪りついた。


これで明日も生きていけると。


死んだ仲間のぶんまで生きようと。


私はその時誓った。





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